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予感的中

「神楽っ! 待ってったら」 「お前の家は逆だろう!! さっさと帰れ!」 「だぁーかーらぁー! 今日は何かイヤーな予感がするの!」 「俺はお前がいる事にイヤな予感がする」 「酷い!」  ナイトを置いていったお姫様は絶対に危ない目に遭うんだよー! とか何とかほざきながら追いかけてくる桜和。誰がナイトだ、変態め。っていうか誰がオヒメサマだあの野郎。  ──グイッ! 「っ、何、す……っ」  キキ───ッッ!! 「ひっ……!」  急に腕を引っ張られたと思ったら目の前を猛スピードで車が駆け抜けていった。少し先で速度を緩めてそのまま消えていった。  ボトッと、鞄を落とした気がする。けど、拾う気も起きない。  腰が抜けてズルズルとしゃがみ込みそうになるのをそのまま桜和が抱き留める。 「だから言ったでしょ? イヤな予感がするって。きっと神楽、今日は俺が付いてなくてもあんな速度で歩ってたでしょ。轢かれてたかもよ?」 「………っ」  知らずのうちに桜和の腕にしがみついていた。呼吸が荒くなって心臓が痛いくらいどくどく鳴る。息が苦しい。  落ち着かせるように優しく桜和の手が俺の頭の上を往復した。  暴れて鳴りやまないかと思ったほど激しかった鼓動は少しずつ緩やかになっていく。  心地よくて、思わず目を細めてその手にすり寄ってしまった。

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