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また明日の
「……ここ」
「ん、到着?」
あれから何度か桜和はふとした時に腕を引かれたりして横や後ろからの車の存在を知らせてくれた。
その度にドキドキして、何に驚いているのかよく分からないままずっと胸元をギュッと握っていた。
「また明日ね」
「……ん………ッ!?」
──ちゅっ
家の敷地に入ったところで見送りくらいはしてやろうと振り返った瞬間、頬に小さく熱が伝わってきて、ものすごく近くに桜和の顔があった。
「は、……なっ!?」
「また明日のちゅーね♡」
「ッッ、………ッ!!」
ぶわっと顔に一気に熱が集まる。寒空の下で、冷えきった体は顔だけとても熱く、胸元を握る手はより力強くなってしまった。
「じゃ、ばいばーい。神楽も風邪ひかないように、いつまでもそこに突っ立ってないで早く中はいんなよ〜」
言うだけ言って桜和はもと来た道を引き返していった。
「………傍若無人な奴め……」
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