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信用

『お風呂湧いたから入っていいわよ〜』 『だって、神楽。一緒に入ろ?』  そう言われたのが、20数分前。  ──ちゃぷん……  湯船に髪から滴った水滴が落ちて波紋を作る。  無駄に広い湯船は男2人入っても問題なく広い。広い、けど。 「かーぐらぁー? 何でそんな端にいんのー? 足怪我してるんだからちゃんと足伸ばしなって」 「平気、だ……ってぇ!?」 「神楽の平気とか何でもないとか少しも信用してないから、俺」  腕を引っ張られて必然的に足が伸びる。けど! 「……っ」  近い。ぴったり密着してて、今までに何度か桜和に抱き締められた事はあっても今は裸で。  服越しじゃない体温がものすごく熱く感じる。心臓が早鐘を衝く。桜和に気付かれるんじゃないかと気が気じゃない。 「あ………」 「?」  背中を緩やかに刺激する振動に何かと思えば、桜和の心臓の鼓動だった。  ……早い。  余裕な顔して、俺より早く心臓が動いていた。 「……何」  思わず吐息のような笑いが漏れて、桜和にじとっと睨まれてしまう。 「何でもない」  ふっと強ばっていた身体から力を抜いてお湯の浮力と桜和の身体に全体重を預けてみた。  コテン、と桜和の肩に頭を乗っけてみると、桜和が息を詰めた。 「……本当、ずるいよね、神楽」 「……?」 「何でもないよ」

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