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予想外
結果から言うと、彼は
「ありがとうございます」
身勝手な被害者面を晒すことも、
「もし、よければなんですけど」
喧しく泣き喚くこともしなかった。
「また、してくれますか?」
──気持ち悪い、と思った。
無機質な瞳はいつも暗かった。笑うこともあったけど、その瞳が笑顔を冷笑に見せた。
それほどまでに彼を『殺す』のはやっぱり、『幼馴染み』という奴が原因なのか。
気持ち悪い。だけど、離れ難い。突き放し難い。
面白いじゃん?
じゃあ、もし──もし、俺がその『幼馴染み』のことをキッチリ片付けてあげたら、どうなるのかな?
もし、俺を好きになっちゃったりしたら、面白いな。
だって、その時にはきっと、俺は君に飽きてるから。
顔はきれいだし、密かにヒトの判定基準に入れている髪質も良好。カラダの相性もいいから俺的にはドストライクだけど、やっぱ一番は何かって言ったら、その〝暗さ〟だから。
それがなくなったら、用済みかな、って。
そう、思ったんだけど。
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