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馬の耳になんとやら
「……思ったんだけど」
いくら阻止しようとしても俺の攻撃を(主に身長差で)易々と躱してLINEを開き、生徒会のグループを開いてしまった桜和。止めるのはもう諦めた。
もちろん生徒会のグループには俺も入っていて、ピロリン、ピロリンとうるさいから、一時的に通知をこないようにした。
「……その、雪、に誓った……やつ」
「んー? ずっと一緒にいようねってやつ?」
その言葉に少し赤らみつつ、頷く。
「……雪ってすぐ溶けるだろ。それって」
「別にそういう訳でもないでしょー」
すぐ溶けて消えてしまうものに掛けると、縁起が悪そう、と言おうとして、その先は桜和に遮られる。
「雪は積もるものだよ?寒い時はなおさら。つまり、厳しいときにこそ愛は積もるんじゃない?」
その恥ずかしいセリフに軽くあてられた直後、
「……大体さ、俺が離さないし? 神楽が嫌がっても俺が閉じ込めちゃうし? 監禁かな。ここまで軽くヤンデレっちゃっといて流石に俺の愛想がつきましたーはないし。てことは神楽が俺を嫌いになったら俺が神楽を監禁するだけだし」
今サラッと怖い単語が聞こえたのは聞かなかったことにしよう。
どうしよう。俺、結構恐ろしい奴を恋人にしたのかもしれない。
「──ぶっは!」
「っ!?」
「ちょ……っ見てよ神楽。い、伊吹ウケる……! なんであいつ普段あんなに喋んないのにLINEだとこうも面白いわけ……!」
見てよ、とか言うくせに手がぶるぶると大きく震えてるせいで字がよく見えない。
結局桜和の手からスマフォを取り上げて見ると、………うん。
「……どこからこんなスタンプ仕入れてくるんだあいつは……」
「スタンプショップでしょ……っははははは!! だ、ダメだ、お腹痛い。腹筋壊れる」
……うるさい。
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