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第一章・6
夜、マンションに戻った朋は、そのままシャワーを浴びてベッドに潜った。
夕食は、いらない。
竜也のくれたチーズケーキで、お腹いっぱいになってしまったのだ。
眠りに就こうとした時に、枕元のスマホが鳴った。
「……あ、正吾(しょうご)さんだ」
朋は、通話を繋いだ。
「もしもし」
『朋。今、何をしてる?』
「もう、寝るところです」
『そうか。早いな』
「少し、疲れたので」
『ふむ。では今夜は、訪ねないでおこうかな』
ごめんなさい、と謝る朋を、来栖 正吾(くるす しょうご)はいたわった。
『いいから、早く寝なさい。そうだな。日曜の午後に、少し会おう』
「はい。お待ちしてます」
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