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第六章 君の傍にいさせて
理紗と正吾は、久しぶりにいろいろと話があるから、とそのまま二人でホテル内の料亭へ移動した。
残された、竜也と朋。
両親公認の、『結婚を前提としたお付き合い』を始めた、二人だ。
アイスコーヒーの氷をストローでつつく朋に、竜也はぎこちなく声を掛けた。
「と、朋くん。これから、どうしようか。どこか、行きたい所とか、ある?」
「朋くん、だなんて。朋、って呼んでくれていいですよ」
僕たち、結婚を前提として、お付き合いしてるんですから。
そんな甘い言葉とは裏腹に、朋の声音はいつも通り、あまり抑揚が無い。
それでも彼は勢いよく立ち上がり、竜也の方を見た。
「行きましょうか。僕の、マンション」
「え? マンション?」
「ちょっと、確かめておきたいことがあって」
朋に誘われるまま、竜也は車を運転し、彼のマンションへ向かった。
到着して、驚いた。
「私の社宅より、ゴージャス……」
そこは、クルス・不動産の誇る、最新の高級マンションだった。
室内に通され、その広々とした空間や、洗練された調度品に溜息をつく。
そうしていると、一度奥へ引っ込んだ朋が、現れた。
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