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第六章・2
「バスタブに、お湯を張りました。お風呂に入ってください」
「お風呂? 今から?」
重要なのは、その後です、と朋は人差し指を立てた。
「僕と、エッチしましょう」
「ええっ!?」
「確かに僕は、竜也さんと結婚を前提としたお付き合いを、始めました」
「う、うん」
ですが、と朋の目は厳しい。
「ですが。体の相性は、パートナー選びの重要なポイントです」
「いや、そんな。でも、急に!」
「もし竜也さんが、どうしようもない変態的な性癖の持ち主だったら……」
それは無い、と竜也は両手をぶんぶん振った。
「私はいたって、ノーマルな人間だよ!?」
「解りませんよ? 本人がまともなつもりでも、相手にとっては耐えがたい苦痛かも」
つべこべ言わずに、早くお風呂に入ってください、と竜也はバスルームに放り込まれてしまった。
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