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第六章・4

 竜也と入れ違いでバスルームへ入った朋が、出てきた頃。  その頃には、竜也の髪は乾いていた。 「ドライヤー、ありがとう。ここに置いておくよ」 「はい。……あっ」 「なに?」 「部屋着、ぴったりですね」  やっぱり、と朋は笑顔だ。 「私と父さんは、似てる?」 「同じ服を着ていると、少し似てます」  安心したような、リラックスした笑顔。  朋がそんな風に肩の力を抜けるのなら、父の服が合うことも、顔が似ていることも、まんざらではない。  竜也もまた、いい感じにリラックスできた。  父は、父。  私は、私。  父の影に気を遣うことなく、私なりに朋くんを愛していこう。  そう、心に決めていた。  自分自身を、取り戻していた。

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