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第七章・4

 揺さぶられながら、朋は薄く瞼を開いた。  汗が目に入り、沁みる。  思わず瞼をしばたかせると、指が涙をぬぐってくれた。 「竜也さん」 「大丈夫?」  ああ、この人は。  初めて声を掛けてくれた時から、この人は。  こんなにも、僕を大切にしてくれて! 「あぁ、あ! はぁ。あぁ、あぁあ!」  甘い悲鳴を上げて、朋は精を吐いた。  それに併せるように、竜也もまた彼の体内に解き放った。  熱い、大量の精を、朋は全身で受け止めた。 「う、くぅ、う! んあぁ、あぁ、うあぁ!」  イッてる時に、来るなんて!  快感が倍になり、朋は必死で竜也の背に爪を立てた。  心臓を高鳴らせ、汗を散らし、激しく喘ぐ朋を、竜也は優しく抱きしめた。 「好きだよ、朋。大好きだ」 「う、うぅ!」  その言葉に、朋は再び吐精した。  もう……、ダメ……ッ!  全てが、反則……!  竜也の真心を、朋は骨の髄まで味わった。

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