39 / 107

第七章・5

「どうぞ」 「ありがとう」  朋が淹れてくれたアイスコーヒーを飲むころには、日が西へ傾きかけていた。  愛し合い、少しまどろみ。  シャワーを浴びて、二人は再びリビングで向き合っていた。 「僕、竜也さんに謝らなくては」 「え? 何を?」 「結婚を前提にお付き合いすることを決めたのは、正吾さんのためでした」  それは別にいいよ、と竜也は微笑んだ。 「父さんの余命を考えれば、安心させたくなるよね」 「僕は、正吾さんに救われたんです。それで、つい」  朋は、正吾との出会いを語った。  寒くて震えているところを、正吾に拾われた、と。 「食べるものも、休むところも無くて。苦しくて辛くて震えている僕を、正吾さんが温めてくれました」  みすぼらしい身なりの朋だったが、ダイヤモンドの原石であることを見抜いた正吾は、彼を愛人として養う道を選んだのだ。

ともだちにシェアしよう!