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第九章・3

「朋。父さんの葬儀だけど……」 「解ってます。僕は、行けませんよね」  愛人の僕が、のこのこお葬式に出かけたら、どうなるか。  それくらいの想像力は、傷ついた朋の心にもあった。 「朋。父さんの写真、持ってる?」 「お見舞いに行った時に撮ったのが、スマホに残ってますけど」 「それをプリントアウトしてさ、ちょっと飾ろうか。花を、果物なんかも買ってきて、お供えしようか」  私たちだけの、小さなお葬式をしよう。  そう、竜也は提案した。  それで少しだけ朋は落ち着いたのか、涙を流すことだけは、やめた。 「一緒に、出掛けよう。買い物しよう」 「はい」  しかし、コートを羽織って車のキーを手にし、今から出る、という時になってインターホンが鳴った。  誰かが、訪ねて来たのだ。

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