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第十一章・3
きちんと正座をし、秋山はまず頭を垂れた。
「お悔やみ申し上げます」
竜也と理紗、そして朋も頭を下げて、それに応えた。
「お気持ちの沈んでおられる時に、真に申し訳ないのですが」
秋山の言葉に、竜也は察した。
(ああ。多分、相続のことだな)
案の定、彼は遺産相続の件について語り始めた。
「告別式、火葬、換骨法要、精進落としまで済ませた後に、弁護士が来栖社長の遺書を公開することになっております」
「はい」
そして。
「そして、その遺書に。クルス・不動産の次期社長に、竜也さんの名があれば、快諾していただきたい」
「遺書に、僕の名が? 次期社長として!?」
竜也は、ある程度の覚悟はしていた。
この身に、分不相応の遺産が遺されているだろう、と。
しかしまさか、本当に社長の椅子までも転がり込んでくるかもしれない、とは!
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