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第十七章・3

「朋!」  竜也は、とっさに朋を背後から抱きかかえ、かばった。  ぱん、ぱんぱん、と乾いた音が響き、竜也は背に途方もない衝撃を受けた。 「竜也さん!」  朋の悲痛な声が、聞こえる。  竜也は、その場にくずおれてしまった。  防弾チョッキを身に着けているとはいえ、ひどい痛みだ。  まるで、本当に撃ち抜かれたかのようだ。 「竜也さん。竜也さん、しっかり!」 「朋……」  すがりつき、必死で声を掛けて来る朋に、竜也は言葉を絞り出した。 「朋。ドアを、三回、叩くんだ……」 「竜也さん?」 「ドアを、三回……」  朋は、聡明な子だ。  これだけで、きっと通じる。  竜也は、そう確信していた。  朋は、顔を上げた。  笑いながら、勇生がこちらに近づいてくる。  朋には、竜也の意図がよく解らなかった。  だが、彼は素早く立ちあがり、ドアを激しく三回たたいた。

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