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2日目⑧
「こっちのマスコットみたいなカワイイおみくじは、包家の叔母さまのお土産に買うのはどうかなあ」
名残惜しそうな煜瑾のために、小敏は思い付きで言ってみた。
「いいのですか?」
パッと煜瑾の顔が明るくなった。
「カワイイ物好きの叔母さまなら、きっと喜ぶと思うよ」
「お義母さまに喜んでいただけたら、とっても嬉しいです」
煜瑾は煜瑾で満足そうにお土産を買い、バス停の近くで、小敏は名物の「焼餅」を買った。
「またお菓子ですか~?」
呆れたように言って、煜瑾は可憐にクスクス笑う。あまりに笑われ過ぎて、小敏はちょっと拗ねたような顔を見せた。
「じゃあ煜瑾は、この後の、すっごく美味しいオヤツは食べないんだ」
「え!すっごく美味しいのですか!」
小敏の反撃に煜瑾はビックリして、ただでさえパッチリした大きな目をさらに見開いて小敏を見つめた。
「焼き立てアツアツの美味しいオヤツ…。甘くてトロトロだしね~」
ちょっと意地悪い顔をした小敏に、煜瑾は焦らされてドギマギする。
そのまま、バスに乗り、次の場所に向かう間、小敏はこれから行く先で待っている甘味について熱く語った。
「ここだよ」
小敏と煜瑾は、堀川今宮でバスを降り、今宮神社に向かった。人の少ない静かな境内をクルリと回り、参拝を済ませると、小敏はいそいそと門前に並ぶ2軒の茶店に向かった。
「どっちに行く?」
どちらでも美味しいあぶり餅が食べられるということで、煜瑾は大いに悩まされた。
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