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亮side
亮side.
聖也と駅で別れ、コンビニでおにぎりとカップ麺という夕飯を買って、バイト先のビルへと向かった。
誰でもなんでも相談室、はボランティアの有志ではあるが、殆どが、将来、弁護士を目指している者、心理カウンセラーになりたい人間もいるし、俺たちボランティアでは難しい案件の為に、一応、弁護士や心理カウンセラーの資格を持つベテランもいる。
聖也のように、恋愛だったり、友人関係などの相談も少なくない。
担当は相性も考えている。
相性が合わない担当だと、どうアドバイスしても意味がない。
俺が受け持ってるのは数人。
他のボランティアも約10人は在中してる。
聖也と別れた後、余韻に浸る間もなく、受付から呼び出し。
不登校のいつもの中学生の女の子だ。
両親の不仲と共に、女の子は不登校になったらしい。
ストレスが原因だと感じ、その子には無理に学校に行かなくてもいいと言った。
行きたくなった時に行けばいいと。
それとなく、俺の中学時代にあった笑い話も話して彼女を笑わせ、彼女が好きだという音楽を聴いてみて、彼女と気持ちを共有する。
俺に心を開いて貰う事が何より大切だ。
話し込んで、彼女は、
「今日もありがとう、遠藤さん!そろそろ私、寝るね!」
「うん、のんちゃん、暖かくして風邪引かないように、ゆっくり休んでね」
そうして、彼女から電話を切るのを見計らって電話を切る。
「一ノ瀬さーん。イキリうさぎさんからお電話ありましたよー」
受付の吉川さんからそう告げられ、は、とした。
デート後にもしや、聖也から電話があるだろうとは思っていたが...壁時計を見ると9時過ぎ。
いつもののんちゃんだけでなく、今日は一見さんの、恋愛相談が1件あり、なかなか長引いた。
バイト中なので、突然、俺から電話したら、不審がられるだろう。
本音を言えば聖也が遠藤としての俺ではなく、直接、彼氏の俺の亮に相談してくれたら、とも思うが、今の聖也では無理な話しだ。
俺はスマホも確認せず、次にいつ相談の電話が来るかもわからない為、カップ麺にお湯を注ぎ、慌てて夕飯を取った。
聖也のメッセージに気づいたのはそれから、約一時間後。
正直、しまった、と思ったが、俺なりに聖也への愛情を注ぎ、返信をしたつもりだった。
「....また何処かデートに誘うべきかな」
一緒にDVDを観る、は聖也には難関だったかも、と今更、思う。
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