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第17話

翌日、僕は講義の後、亮とランチの為に大学近くのお蕎麦屋さんにいる。 昨日、天ぷら定食は食べたのに、海老天が乗ったお蕎麦にした。 亮はコロッケが乗ったお蕎麦にカレーライス。 カレーライスの香辛料が嗅覚を刺激する。 ミニサイズがあったらいいのになあ...。 不意にカレーライスをスプーンで運ぶ亮と目が合った。 「ほら」 物欲しそうな顔をしていたのかな。 カレーライスの乗ったスプーンを口に差し出された。 あーん、て、奴...? ヤバ...照れくさい...。 周りには他にお客さんもいるし....。 「い、要らないよ!ただ眺めてただけだから」 ....あ、冷たく言いすぎたかな、と、そっと亮を見る。 そっか、とはにかみ、亮はスプーンを自分の口に入れて頬張った。 ...ホントは憧れるけど、あーん、とか食べさせてもらったり、逆に食べさせてあげたり。 男同士だから...て、違うな。 もし、僕が女の子だったとしても、恥ずかしくて拒否ってそう....。 遠藤さん!こんな時、どうしたらいいと思いますか!? 天井を睨み、遠藤さんに問いかける。 まさか、隣でお蕎麦を啜り、たまにカレーライス食べてる亮がその遠藤さんだとは知りもせずに。 「....ホントにいいの?パンフ代」 「ん?ああ、メッセ通り。俺が勝手にプレゼントしたかっただけだからさ」 にっこり微笑む亮がいる。 「あ、あと。DVD鑑賞だけどさ」 ドキ。 「まだ上映中だし、なんか人気だから、上映期間も延長するみたいだし、まだまだ先になりそうだな」 「そ、そうなんだ」 良かった、と安堵する一方、残念な気持ちもする...。 難しいな、恋愛、て....。 夕方に帰宅した僕は、真っ先にコンタクトから楽ちんで慣れている眼鏡に変えた。 今日は揚げ物に挑戦しよう! 唐揚げの準備に取り掛かる僕なのでした。 タレに漬け込み、しばらく冷蔵庫に寝かせている間にお風呂を済ませた。 が、しまった、と後悔する羽目になる。 油が飛ぶのなんの。 でも、なかなかいい感じに作れたかも。 思わずにっこり。 お味噌汁とご飯とで、一人なのに、いただきます、と一言、手を合わせ、ガブ、と唐揚げに齧りついた。 手早に食器を洗った僕は自然とスマホを手にしてた。 三回の呼び出しの後。 「イ、イキりうさぎです」 「はーい。イキリうさぎさんですねー、少々お待ちくださいねー」 明るい女性の案内の後のヒーリングミュージック。 何故だろ、今日はあまり切なくならない。 ドキドキしながら遠藤さんの声を待った。

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