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第78話 独り占め

「ン……」  ほら、キスだけで、イっちゃいそう。 「んんっ」  絡まる舌に翻弄されながら、腕を旭輝の首に回すと、旭輝の手が髪を撫でてくれる。 「ン……ふっ……っ」  まさぐるように髪をその長い指がすいて、乱して、抱きかかえられるととろけそう。 「あっ……」  キスで旭輝の唇が濡れてる。 「もっと、欲し……ン」  そのキスで全身を可愛がられると、切なくなってくる。 「やぁっ……ぁ」  乳首を舐めてもらいながら、脚を開かされる。 「あっ」  前を握られてさ、今、真っ赤になったよね、俺。旭輝はそんな俺に少しだけ笑ってから、その赤くなった頬にキスをくれた。 「聡衣」 「あ、なにっ……」 「……」 「もぅ、ねぇってば、何」 「やっぱいい。呆れられる」 「あ、やだ、言ってよ」  じっと見つめられた。ベッドの上で半裸で真っ赤になって狼狽えてるところをじっと見つめられることにもっと狼狽えてるところを見つめられて。 「聡衣を」  何? 俺を? 俺を、どうかした? 「独り占め、したいって思っただけ」  旭輝はそれだけ小さく呟くと、ぎゅっと抱きしめてくれた。 「な、に……それ」 「だから言っただろ、呆れるって」 「そんなの」  してよ、独り占め。たくさん。 「俺も思ってたし」 「……」 「旭輝のこと、独り占めしたいって、だから……あ、ちょ、まだ話してるっのにっ」 「無理」 「ひゃ、あっ……あ、あ……ン、んんっ」  キスを深く交わしながら、ローションを纏った指が入ってくる。 「んんっ」  長い指が孔の中を撫でて、唇に肌を吸われて。 「や、あ、あ、あ」  おかしくなりそう。長い指に中を撫でられながら、奥を指先でトンってされてから、前立腺のところをゆっくり二本の指で擦られると、前がとろりと気持ち良さそうに濡れてく。声を上げながら身を捩っても指は前戯をやめずに、たっぷり丁寧に俺の中を柔らかく変えていく。中を擦られる度に、くちゅくちゅってやらしい音がするのすら興奮した。呼吸が乱れて、旭輝の身体と密着してるとどんどん体温が上がって、もう、たまらないのに。  なのに、キスを絶え間なく続くから、もう今イっちゃいそう。  そのくらい気持ちいいよ。  そのくらいもうセックスしたくてたまらない。 「っ」  息をつめたのは旭輝だった。愛撫に悶えながらそっと手を伸ばして、スラックス越しに旭輝のそれに触れたら硬くて。それを掌で何度か撫でると、整った顔を苦しそうに歪めてくれる。  輪郭に沿わせるように掌で包み込んで、息を乱してくれるその唇にキスをしながら、ズボンの前を寛げる。下着越しに触れると、こっちまで熱くなりそうなくらい、パンパンに熱を溜め込んでる。 「……ン」  口に含むと、喉奥がその熱にとろけてく。喉奥から、熱が染み込んで、奥のとこ、身体の深いところが熱って、柔らかくなっていく気がした。柔らかく、甘く、熱に焦れていく。 「んんっ、ン」  じゅぶって口の中で濡らして。 「……ン、ぁ……ンむ」 「っ」  潤んでいく。咥える唇から、はしたない音がするけど、かまわず目を瞑ってしゃぶりつく。旭輝のペニスのくびれに、唇を添えて、丸いところを指先でくるりと撫でると、頬の内側を突くように先端が口の中で跳ねた。それに喉音を鳴らしながら、伸びた前髪をそっと指で耳にかけると、チラリと視線を旭輝へ向けた。 「ん」  口を窄めながら頭を上下に動かすと旭輝のが大きくなった。熱が増して、暴れたそうにしてくれる。それを頬の内側で扱いて、舌でたっぷりと濡らしながら、もっと唇でねっとりと吸い付いて、最後の先端まで丁寧に口付ける。 「すごい……硬い」 「っ」  旭輝の、これ。 「聡衣」  ねぇ、欲しい。  これで奥まで。  そうねだるように唾液で濡れた旭輝の先端を撫でて、両手で握った。 「あ」  けれど扱く前に手を掴まれて、その腕の中に閉じ込められると、しっかりと首にしがみついて。心臓が高鳴った。トクンッて鳴って、それから、奥がキュンってした。今から旭輝でいっぱいになる場所が。 「あ、あぁっ……ン」 「っ」  その奥までゆっくり抉じ開けられて。 「やぁ……ン」  深く沈むように旭輝の身体の重みに喘いで。 「あ、あっ……ン」 「っ、動くぞ」 「あ、ン……ン、あっ」  熱を擦り付けるように中をペニスで撫でられて震えるくらいに感じてる。 「あっ……ン」 「聡衣」 「やぁっ、あ、あ、あ、きもち、ぃ……っ」 「っ」  奥でしゃぶりつきながら見上げると、そのまま深い口付けで唇も塞がれて。突き上げられる度に喘ぎ声まで旭輝に食べられてく。 「あっ、そこっ」 「ここ?」 「う、っン、そこ、好き」  カリでそこを小刻みに擦られて、小さく甘い声が零れ落ちる。 「あ、あ、あ、あ、ダメそこ、旭輝っ」 「っ」 「あぁぁっ!」  奥をペニスで突き上げられるの。 「あ、旭輝っ、もっとして」  すごく気持ちぃ。 「ここ……」  そっと自分の下腹部を撫でた。 「もっと奥まで、して、欲し」  大胆に脚を広げて、片足を自分の手で抱えながら、今、この身体の中をいっぱいに抉じ開けてる旭輝の熱を撫でるように下腹部に掌を置いて。 「ね、旭輝」  見上げると、色気の溢れる旭輝がじっと俺を見つめて、少し、興奮で頬が赤くなってた。 「俺の中でたくさん」  その頬に掌で触れてから、そっと口付けて。 「たくさん気持ち良く、なってよ」  それから両足を自分で抱えた。ちゃんと見えるように。俺の身体が全部見えるように抱えながら。 「あ、やぁっン、あ、あ、あ、あぁっ」  甘い声をあげて。 「あ、あ、あ、そこっ、ダメ、イク」  気持ちいいって自分からも腰を揺らして。 「やぁ、前、触ったら」  旭輝の手の中に切なげにカウパーで濡れた自分の擦り付けて。 「あ、あ、あ、イク、イク」  腰を鷲掴みにされて、奥まで何度も何度も貫かれて、興奮で硬くなった乳首も旭輝の口付けに溶かされながら。 「ン、あっ、イクっ、旭輝」 「聡衣」  激しくなる腰つきに乱れて。 「あ、旭輝、あき、てるっ、イクっ、も、ぉ……」 「っ」 「あ、あぁっ、んんんんんっ」  キスをしながら二人で達してた。 「あっ……」  ゴム越しでも伝わる旭輝の躍動感に身悶えながら。 「旭輝……ン」  そのままぎゅっと抱きしめて。 「もっと、して」  欲しいままにねだった。 「旭輝……」  まだ硬いままのペニスに奥をもっと深く抉じ開けられながら、好きな人の名前を呼ぶと、喉奥が甘くて感じた。とろけてて、とてもとても気持ち良さそうな声。 「ン」  その声を食べるような深いキスと深い挿入感にかき乱されながら、その背中に爪を立てて悦がってた。

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