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第109話 甘くて気持ちいい
ど、しよ。
上を着たままだから、ルームウエアの袖をキュッて握りながら、背中をくねらせた。
ねぇ、困る。
乳首、だけでこんなに気持ちいいの。恥ずかしいくらいに反応して硬くなるやらしい乳首を舐められただけで、おかしくなりそう。
「あぁっ……ン」
指で中をまだ柔らかくしてもらってるだけなのに。こんなに気持ちいいなんて。
身体を柔らかくほぐしてもらうだけで、こんなに蕩けるなんて。
それなら。
「……ぁ」
「聡衣」
「ン、あ」
旭輝の、を……。
「聡衣」
「あ、も……ぉ」
挿れられただけで。
きっと、イっちゃう。
まるで美味しいデザートみたい。
全部美味しいけど、どれもこれも美味しくて満腹になっちゃうくらいにたくさん食べたけど。デザートは格別、みたいに。
特別で、ずっと楽しみで、ずっと待ちきれなかった甘いごちそうみたい。
「旭輝……」
四つん這いになってまるで猫のようにおねだりをした。
高く上げた腰を振って、欲しがりな猫。
手をついて振り返ると、熱に浸り切ったみたいな顔をした旭輝が背中にキスをしながらこっちへ顔を向ける。その気持ちいいキスを全身にされながら、身体をほぐしてくれる旭輝の手にそっと手を添えて。
「ン」
その指を抜くだけでたまらなく気持ち良くなっちゃう。そのくらいに感度の上がった身体で擦り寄って。
「旭輝」
「あぁ」
早くって欲しがる俺の頭にキスを一つだけして、旭輝がベッドから手を。
「……ね」
手を伸ばしたのを遮って、その手を掴んで引き寄せた。こっちって、その手を引っ張った。
「今日はこのまま、がいい」
「……」
そんな俺に、旭輝が驚いてる。
驚かないでよ。目とか丸くされると、すっごいこと言っちゃったみたいじゃん。
「ゴム……しないで」
別に女の人じゃないから、その、できないでしょ? 妊……娠とかさ。もちろんセーフティセックスはマナーっていうか当たり前なことで、旭輝が俺のことすっごく大事にしてくれてるってわかってる。そういう意味で丁寧にしてくれてるのも、真摯に思ってくれてるのも。
「いつもつけてくれるの嬉しいよ。けど、今日はこのままが、いい」
最後、すっごく恥ずかしくなって声が小さくなっちゃった。でも二人っきりでこんなにくっついてたから旭輝には聞こえてたでしょ? だから、早く。
「……聡衣」
「ダメ?」
チラリと旭輝の方を見て。
「あぁ」
覆いかぶさってくれたその背中にときめいて。
「ダメだ」
「っ」
「遠距離になるならしょっちゅうくっつけないのかって、必死になってここ数日触るのをセーブしてた俺にそんなこと言ったら」
逃げないようにって腰を掴んでくれる手に手を重ねて。
そのまま。
四つん這いになって
「ダメだろ」
「あっ」
早く来てよって身体を差し出すように、腰を高くしたら、旭輝のが触れて。
「……ぁ、ン」
そのまま貫いた。
「ぁっ、あっ」
触れた瞬間、孔がキュって感じちゃうくらい、すごく熱い。
「あぁぁぁっ……ンっ」
奥まで全部旭輝の、その熱くて太いのを飲み込んだだけで。
「や、ぁっ! ……旭輝、の、すごい、やぁっ……」
気持ち良くて、挿れただけで……。
「あ……ウソ」
「聡衣?」
「や、だっ……恥ず……」
真っ赤になってるのが自分でもわかる。何これって俺自身が一番びっくりしてる。
「さと……」
「も、もぉっ、言わないでい、から」
挿れられただけでイッちゃうとか、そんなの初めて。
そんなの恥ずかしくて、顔見せられない。こんなの、本当に。
「顔見たい」
「や、だっ……ぁ」
「聡衣っ」
「やだ、恥ずかしいって、あ、やぁ……ン」
グリッて腰を押しつけられるのすらたまらなく気持ち良くて、甘く啼きながら背中を逸らすと、覆いかぶさった旭輝に抱き上げられた。恥ずかしくて隠れたいのに、隠れられないように身体を起こされると、新しい隠れ蓑を探すように背後にいる旭輝へ顔を向けて擦り寄った。
そのまま腕の中に閉じ込められながら、絡まり合うキスをしたら、中が旭輝のにしゃぶりついちゃう。ゴムをしていないそれはいつもよりもずっと熱くて、中がトロトロになる。
「やぁっ……」
達したばっかりの身体を抱き抱えられて、今、ダメなくらいに感じちゃってる中を旭輝の大きいのが擦り上げて。恥ずかしいのに、また。
「や、甘イキ、しちゃ、ぅの……止まんないっ」
ベッドの上、膝立ちになって抱きしめられながら、後から責め立てられるの気持ちいい。
「ン、ンンっ、そこ、ダメ」
抱きしめられながら奥を何度も突かれると、切なくなるくらいに気持ち良くて。乳首を指先で可愛がられると、その手に爪を立てちゃうくらいに感じちゃって。
ね、ど……しよ。
セックスが甘くて気持ちいい。
「聡衣の中」
「やぁ、もっ言わなくていいってばっ……あ、あ、あ、挿れられただけで、こんな……のっ」
だって、全部気持ちいいんだもん。全部美味しくてたまらないんだもん。
「悪い、聡衣」
背中をくねらせて喘ぎながら、旭輝の太いのを、イキながらキュンキュン締め付けてる。
「あ……ん、ぁ、あっ」
イッてる身体を味わうように、旭輝の硬いのが中を擦り上げていくとつま先まで震えた。
「はぁっ」
「聡衣」
「あ、あ、あ、そこ、気持ち、イ」
パンパン、肌が触れ合ってぶつかる音と一緒に自分の甘ったるい声が零れ落ちてく。
「やぁ……ン」
激しく腰を打ち付けられるのがすごく気持ち良くて。膝立ちのまま、喘ぎ声を枕で誤魔化すこともできないまま、快感を、シーツを握りしめて逃すこともできないまま、繋がった場所でしゃぶりついて、喘ぎ声を響かせて、快感に痺れた指先で、抱きしめてくれる腕にしがみついて。
「あ、やっ、また、イクっ、イッちゃっ」
「っ」
「あ、あ、あ、旭輝っ」
激しさが増してく。
旭輝のが熱さが増して、太くて、硬くて。
「あっ、イクっ」
「っ」
「お願い、中に……」
背中を反らせて背後から責め立ててくれる旭輝に縋りついた。甘えて、唇に唇で触れながら、まるで撫でてもらいたくてたまらないって甘えてる猫みたいに擦り寄って、おねだりした。
「このまま……旭輝の、ちょ……だい」
指先が肌に食い込んだ。
「あ、あ、あっ、あぁぁぁっ…………っ、ン、ん」
旭輝の手が前を握ってくれた。そして身体の奥に熱が注がれたのを感じると、切なくて、嬉しくて、気持ち良くて、その手の中で達して。
「あっ……すご、ぃ……熱」
「っ」
イッてる時の旭輝のしかめっ面に見惚れながら、射精に乱れた呼吸も欲しくてキスをした。
「ン……ん」
舌を絡めると、中で旭輝のがビクンってしてくれるのが嬉しくて、もっと舌を絡めて、しゃぶりついて。
「ンンっ」
キスをしながら、ずるりと抜けていくのにすらまた、軽く達しちゃう。
「あっ……ぇ……ちょ」
そして寝転がった俺に旭輝が覆いかぶさって、そのまま。
「やぁっ……ン」
中に注がれた熱が溢れるそこをまた貫かれた。
「あ、なん、で……こんな硬い、の」
「終わるわけないだろ」
「あぁっ……ン」
達したばっかりの中を深くまで貫かれて、震えちゃう。
「聡衣に」
「あ、やぁっ……イクの止まんなく、なっちゃうっ」
「どれだけ夢中だと思ってんだ」
言いながら、奥深くを抉じ開けられて。腰を動かすのを止めない旭輝と指先まで絡め取られて、爪先まで駆け抜ける甘い甘い快感にまたイきながら。
「聡衣」
このセックスをもっと味わいたくて、キスをしながら、大好きな人の名前を優しくやらしく。
「旭輝、好き」
囁いた。
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