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新年のご挨拶編 4 溜め息出ちゃうくらい幸せで
気持ち良いことは嫌いじゃない。
奔放ってわけじゃないけど、でも、するの、旭輝が初めてってわけじゃない。
男が途切れなかったことない、なんて言えるほどモテたりなんてしなかったけど、でも、恋はたくさんしてきたよ。もちろん、こういうことだってたくさん。
けど――。
「あ……旭輝」
旭輝とするのは、別格、なんだ。
「どうした?」
「あ……ね」
「?」
「今日は、さ、このまま、しよ」
「……」
「ゴム、は……さ」
「…………はぁぁぁぁ」
大きな大きな溜め息。
「な、何っ」
「今日、どれだけ俺が必死にあの時間に帰れるように仕事片付けたと思ってるんだ」
「なっ、だから、俺」
力仕事なんてちっともしてないはずなのに、ジムだって、土日、俺が仕事で、旭輝が休みの時くらいしか行ってないくせに、バキバキに割れた腹筋とかさ。なんなの、なんで俺なんかでいいの? ってなるくらいだから、たくさん気持ちよくなって欲しくて言ったのに。
まぁ、俺も気持ちいいし、さ。
なのに、溢れるくらいの溜め息をつかないでよ。
その溜め息に大慌てで上半身を起こそうとすると、唇を奪うように口づけられた。
「ン」
初めてのキスなんかじゃないし、処女なんかじゃないし。
でも、こんなキスはしたことないよ。
「ン……あ、ふ……っ」
キス一つで蕩けるようなの。こんな気持ちになるキスなんて。
「っ……ン」
唇が離れると、お酒を飲んで火照った身体は今にも溶けちゃいそう。離れたばっかの旭輝の唇がキスに濡れてるのを見つめてるだけで、身体の奥のとこがキュってする。
「聡衣」
早く、旭輝のことが欲しいって。
「明日の朝食はサンドイッチでいいか?」
「? あ、うん」
なんで? 今、そんなことを?
「昼は? パスタ。あー。レンチンしないとか」
レンジでチン? するけど? っていうか、決めておかないと、なの?
「おにぎりで弁当みたいにしておく」
「?」
「そしたら、ベッドから出なくて済むだろ?」
何? そう訊こうとしたところで首筋に口付けられて、そのまま肌を少しだけ吸われる。キスマークがそこに一つついたことも、唇が触れた心地の良さも、嬉しくて。ほら、もう、甘い声が溢れる。
「聡衣が煽るから」
「っ、あっ」
煽ってないし。
「加減しない」
ただ、気持ち良くなって欲しい。
ね、旭輝にさ。
「しなくて、いい……し」
俺のこと、もっと、たくさん好きになってもらいたい、だけ。
「だから、煽るなっつうの」
「あ」
煽るよ。
「あ……ン」
旭輝に気持ち良くなって欲しいもん。
「聡衣」
「ン」
孔に熱の先が触れる。生で、ゴムをつけずに孔をその先端を撫でるように擦り付けられて、溶けちゃいそうに中がぐずり出すのを感じる。
旭輝のが欲しくて、ドキドキしながら頭に敷いている枕をぎゅっと握ると、その手に手が重なった。指先も、絡まった。
「あぁっ」
「挿れるぞ、息」
「ン、ふっ……」
「吐いて」
抉じ開けられるだけで頭の芯がふわふわしてくる。
もうこれだけでイッちゃう。
ゆっくり、ゆっくり中を掻き分け奥まで来てくれるその熱に自然と溜め息が溢れた。
「あ……大き、い」
「っ」
頭の中が真っ白になるよ。
「聡衣、中、こんなグズグズにしながら、そんな顔で、そういうことを言うなよ」
「あ、だって、知らな、」
わかんないよ。だって、挿入だけで気持ちいいんだもん。
旭輝とただ繋がれただけで、甘イキが止まらないんだもん。
「ほら、中、とろっとろ、なのに、締め付けがすごいぞ」
「知らな、あ、あ、言わなくてい、い」
言いながら、小刻みに中を撫でられて、濡れたやらしい音がベッドの上で溢れそうなくらいになってる。
「は、ぁっ……や、あっ、ン」
大きく開いた脚、膝小僧のとこを旭輝の大きな手が掴んで、ぐって大胆に開かせると、見えちゃうって、手が勝手に繋がってるそこを覆い隠そうとした。
「あ、待っ」
でもその手は旭輝の片手に捕まえられて、そのまま両手を束ねて持たれたまま。
「待たない」
「ひゃあっ、ンンっ」
「というより、今日一日、待ってたんだ」
「な、ああ、ぁっ……ン」
「ずっと、待て、守ってただろ?」
仕事しながら?
俺を抱くこと、考えてた、の?
「聡衣」
奥をクンって、突き上げられながら、お腹のとこがぎゅっとしがみついた。
嬉しそ。俺の身体。
旭輝に求めてもらえて、めちゃくちゃ嬉しそうにしてる。
「あ、あ、あぁっ、あっ、ん」
そのまま何度も奥、突き上げられて、たまらなくて。シーツの上で身体をくねらせながら、旭輝のおっきいのにたくさん中を可愛がられてる。
「あっ……ン、ンンっ」
気持ち良すぎて、おかしくなっちゃいそ。
「聡衣」
あ、そこ気持ち、いい。
「ン、旭輝……ぁ、ね」
もっと、して。
「中、で、いっぱい」
もっとたくさん。
「聡衣」
「あ、あ、あ」
奥まで全部。
「あっ、イクっ」
ぜーんぶ、満たして。
「イッちゃうっ」
気持ち良いことは嫌いじゃない。
奔放ってわけじゃないけど、でも、するの、旭輝が初めてってわけじゃない。
恋はたくさんしてきたよ。
「イクっ」
もちろん、こういうことだってたくさん。
けど――。
「聡衣」
「あ、イクっ、あっっっっ、イ、ク」
けど、こんなに幸せになれるセックスは、したこと。
「あっ……旭輝」
好き、が溢れたセックスは、したこと、ないよ。
初めて、だよ。
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