132 / 143

新年のご挨拶編 13 ハッピーメリークリスマスは続いてた

 日本のクリスマスって、なんかカップルはデート必須って感じでしょ?  デートはしたいけど。  翌日、休みなら夜更かしだって大歓迎だけど。  でも、仕事柄そうとも限らなくて。  とにかく、クリスマスとお正月はサービス業に携わる人間にしてみると戦場に近い忙しさ。特にアパレルにとってはクリスマス商戦とか言われちゃうくらいで。だから、もう、そんな日の夜はへとへとで、足はパンパン、足の裏は悲鳴をあげてるし、案外力仕事も多いせいで腰もバッキバキ、だったりするわけで。  つまり、そんなクリスマス商戦終わりの夜に、えっちな気分……になる時もあればならない時もあるし。クリスマス商戦明けすぐに有休取るのは空気的にあんまりね。ナシ、かな。みんな激戦終わりで休みたいけど、片付けやら、崩れた売り場の商品整理やら品出しやら忙しくてできないもん。お店はチーム。次のお正月商戦に向けて頑張ろうってわけで。  だから、そんなこちらの仕事を頑張ってきた社会人の事情なんて知らんと、グイグイ、クリスマスムードで迫られても、ちょっと……、となる。場合によっては、少し好き度が下がるくらい……だったんだよ?  ホント。  それきっかけで気持ちが冷めたことだってあるくらい。  だったのにね。  今年のイブとクリスマスなんて日曜日と月曜日でお店の定休日前でもないし、後でもないし、絶妙に、疲れそう。  なのに。 「……ン」  したいなぁって、旭輝となら思う。 「あぁっ……ン」 「聡衣」  したくてたまらなくてね。  プレゼント交換が終わって、お互いのプレゼントに笑顔になりながらしたキスで、少しだけ俺から誘った。  ちょっとだけ舌でキスを濡らして、誘った。  旭輝は多分、あんまする気なかったのかも。  俺の仕事をとても大事にしてくれてるの。立ち仕事で、人と接する神経使う仕事で、たまに、ホントにごく稀にだけど、んもおおおおお! ってなるくらいにヘトヘトになることがあるって、理解して、尊重してくれてる。だから、明日も大変だろうと、プレゼント交換だけの柔らかいクリスマスにしようとしてくれてた。  でしょ?  キスで伏せていた瞼がピクッとしてから、薄目で俺の方見つめて。  笑ってた。  キスをしながら笑って。  ――明日仕事だろう?  だって。  そうなんだけどさ。  でも、俺は、まぁ……なんて、答えて、それから、キスでも答えた。キスは、適当な返事みたいなのじゃなく、甘くて濃厚なキス。  なんでだろ。明日もきっと忙しいのに。  品出ししたいし、ディスプレイだって変えたいし。  でも、だからかなって。  だからこそ、旭輝としたいなぁなんて。 「っ、こら、聡衣」 「ン」 「中、今、そんなに締めるな」 「っ、知らな、い、しっ」  立ち仕事が多くて、年末に向けてバタバタしそうで、色々大変になりそう。  だって、二号店っていう自分が一人で切り盛りするお店でのクリスマスから年末年始を切り抜けるの、初めてだもん。ちょっと気が張ってる。だから、したい。 「ん、すご、おっき、ぃ」 「っ、おい、煽るな」  明日からも頑張れるよう充電したい。  好きな人とこうして抱き合って。 「あ、だっ、て……ホントに、おっき」  可愛がられて、元気を充電、なんてさ、ちょっと前の自分だったら、はい? 色ボケしてるなって苦笑いものだけど。  奥がきゅんんって旭輝のにしがみつく。 「あ、あ、あぁっ」 「加減してやりたいのに」 「あぁ、ン」  奥にクンって切先を捩じ込まれて、気持ち良さそうな甘い悲鳴が零れ落ちる。 「聡衣」 「ん、だって」  ほら、気持ちいいから、また奥が旭輝のをぎゅっとした。 「気持ち、い」  揺さぶられながら夢見心地で、口寂しいのか自分の指を甘噛みしながらそう答えた。 「あっ、ン」  中で旭輝のがビクンって跳ねて、色男が色っぽいしかめっ面で前髪を掻き上げる。 「……あ、ン……あぁ、あっ」 「今、中、締まったぞ」 「ん、あ、も……言わなくて、い、ってば」  だってかっこいいんだもん。何それ、反則じゃん? 何その、かっこいいの。ズルいよ。とろけちゃうじゃん。 「あ、あ、あぁ」 「聡衣」  小刻みに揺さぶられながら、甘い快感がとめどなく溢れてきちゃう。気持ち良くて、このまま溶けちゃう。激しくないセックス。もうどうにかなっちゃいそうな、怖いくらいに気持ち良くて、旭輝にしがみついてないとって、背中に何度も爪を立てちゃうような、そんなセックスじゃなくて。 「あ、あっ……ン、あ」 「聡衣」  甘くて、優しくて、あったくて、キスで、重なり合う肌だけで、快感になるような、深くて柔らかいセックス。 「あ……それ、ダメ、イッちゃう」 「っ」 「そこ、好き」  ゆっくり丁寧に、大事に、一度だけ高いところに二人でいく、そんなセックス。 「あ、あ」 「聡衣」 「う、ン」  気持ちい。 「好きだ」 「あっ……ん、俺も」  手を伸ばして、目一杯身体を広げて、深く抱き合う。  ゆっくり、優しく。 「すごい、好き」  これね。 「旭輝……ン」  クリスマスに一番欲しかったんだ。 「イ、く……っ」  大好きな人に包まれる、抱きしめ合う、幸せなセックス。これが一番、欲しかった。

ともだちにシェアしよう!