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新年のご挨拶編 22 感じすぎちゃうの

 ついに実家への挨拶も終わったし、今年のお正月の一番の難関を通過した感じ。  一番の、気にかかる事柄が完遂した感じ。  あぁ、来週実家に挨拶かぁ、とか、ふとした時に思い出して、そわそわしなくていい、感じ。 「いや、今日はこのまま寝よう」  今日は、するのかなぁって……あ、いや、別に、そのなんていうか、昨日してないし、ほら、実家に泊まったからさ。別にいいんだけど、でも、だから今夜はするんじゃないのかなぁって、なんとなぁく思ってたんだけど。  いや、別にしなくても、まぁ。  でも、すると思ってたっていうか。  だって明日もお仕事休みなんだもん。旭輝も、アルコイリスもお休み。だから夜更かしできるし。  腰、重だるくても、大丈夫なのに。  なんちゃんって。いやいや、別に……。 「……」  いや、でも、やっぱり、今日は、したかったり……したんです、けど? 「その、なんだ、まぁ」  口元を手で覆いながら、ボソボソと呟かれるとあんまり聞こえないんですけど。 「あれだ」  どれ? 「昨日、聡衣のお母さんと小さい頃の聡衣の話を聞いたり、大事に育てられたんだなと実感したせいか」  そう? そんなに大事には……あ、まぁ、ちょっと失礼だけど、うちのお母さん結構ガサツなタイプだから、全然、花よ蝶よみたいな感じじゃなかったし。女手一つで、だったからか、そこらの男よりも強いんじゃ、と思うようなタイプの人だから。 「なんとなく、抱くことに、申し訳ないような」 「はい? なんでよ」 「いや、まぁ」  いっつも凛としていて、自信溢れる感じの旭輝がボソボソと顔を赤くしながら話すところなんて、きっと、だぁれも見たことないと思う。世界中探しても俺しか知らないかもしれない。自信なさげに戸惑ってるところなんて。 「んもー、何それっ」 「!」  ちょっと可愛い。  きっとこんな旭輝は俺しか知らない。 「します!」  だから、嬉しくて、愛しくて、ベッドの上でまごつく旭輝の口元を隠したの手の甲にキスをした。骨っぽくて、ゴツゴツしてる手の甲にチュってキスをして、その懐に潜り込んだ。 「……旭輝」  名前を呼ぶと、口元にあった手が俺を引き寄せて、優しく丁寧に頬を撫でて、今度はちゃんと、柔らかい唇とキスができた。 「ン」  太腿の内側を撫でられて、ドキドキした。  すごく好きなんだよね、旭輝の大きな手。その手に優しく身体を撫でられて、愛でられると、たまらなく心地いい。世界で一番の幸せ者だって思えちゃう。  その大好きな手がグイッと俺の脚を抱えた。 「あっ……ン」  ドキドキして、そして、お腹の奥のところがきゅぅんって期待で甘く切なくなる。もう指でたくさん柔らかくほぐされた身体は、欲しくてたまらなくて。 「聡衣」 「?」  自然と恋しさに身体の奥が火照って、息が乱れたら、もう、旭輝にしてもらうことしか考えられなくて。  だから、名前を呼ばれて、なぁんにも考えずにその胸に抱き締められようと手を伸ばしたの。 「絶対に大事にする」 「!」  その手をそっと捕まえて、手、薬指のところの金の輪っかにキスを。 「……一生だ」  する、とかさ。  それ、ズルくない?  ねぇ、そんなこと言いながら、薬指に輝く指輪にキスをするとか、キスしながら、俺の中に入ってくるとか、すっごい、ズルくない? 「あ……ぁ、待っ」  蕩けさせすぎ。 「聡衣」 「あ、あ、あ、今、だめっ、あぁっ!」  感じすぎちゃうじゃん。 「あっ……っ、っ、っ」  繋がるだけで、イっちゃうくらいに感じちゃうじゃん。 「待っ」 「待たない」 「やぁ、あ、今」  達してる身体をぎゅっと抱き締められながら、旭輝の熱が身体の中から俺のことを溶かしてく。 「あぁっ……ン」 「聡衣」 「あ、待っ、無理」  名前呼ばれるだけでゾクゾクした。  奥まで届く熱に身体がどうしようもなくしゃぶりついちゃうくらい。ね、そこ、キュンキュンしちゃってる。ほら、もう、どうすんの、これ。 「聡衣」 「ん、んんんっ、あ、あ、そこ、らめっ……あ、あ」  ほら、蕩けすぎて舌ったらずだもん。 「やぁぁぁっ」  奥をクンって突き上げられて、達してるままふわふわしてる身体が爪先まで「気持ちいい」で痺れてく。 「あンっ……ん、あっ、あっ」  声が甘くて、恥ずかしい。 「あ、待っ、そこ、はっ」  身体が旭輝にしゃぶりついちゃって、おかしくなりそう。 「聡衣」 「やぁっ」 「あんまり絞るなよ」 「や、知らない、しっ」  名前を呼ばれるだけで、奥がとろっとろになってく。そのとろっとろになった身体を旭輝の熱がたくさん突き上げて、奥まで全部独り占めしてくれる。突き上げられて、ずるりと引き抜かれそうになって、また突き上げられて。揺さぶられると離さないもんって、勝手に腰が揺らめいて、旭輝のにしがみつく。 「っ」  ね、すごく、ダメでしょ? 旭輝のこと締め付けちゃう。  繋がってる音がたまらなく甘ったるい。 「聡衣」 「あ、あ、あ、あ、あぁっ、ン」  セックスが、ほら、溢れちゃってる。 「愛してる」 「! あ、待っ、あ、ぁ、あ、あぁぁぁぁぁぁ」  愛が、すごく。 「っ」 「あっ……」  ほら、溢れた。 「あ、もっ……旭輝」  真っ赤。  きっと、顔、真っ赤でしょ? 俺。鏡見なくてもわかるもん。 「聡衣」 「ん、待っ、今、ダメ、感じすぎ、ちゃう、から」 「愛してる」  それ、ダメ。 「やぁ……あ、あ、あ」 「聡衣」  こんなに愛されて、愛が溢れて、なにがなんだかわからないくらい、ただその言葉に。 「愛してる」  幸せが詰まってたから。 「お、れも……ぁ、い……」  小さな小さな声で、同じように旭輝を愛したくて抱き締めた。

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