160 / 167

ヤキモチエッセンス編 2 ラブラブです。

 映画はすごくロマンチックなお話だった。もう完全ラブストーリーもの。旭輝が観たいって誘ってくれたんだけど、俺は、てっきり同じ時期に公開が始まった、別の科学サスペンスもののほうだと思っててさ。え? こっち? って思わず言っちゃったくらい。  けど、案外、旭輝の方がロマンチストなんだよね。しかも素直に。  俺は、へそ曲がりだから、あんなロマンチックな展開とか興醒めしちゃうっていうか。シラけちゃうっていうか。そんな街中で偶然再会なんてするわけないじゃん、って思っちゃう。どんだけ確率低いと思ってんの? って。  何万人っている中で偶然に再会できる確率どう考えたって、すごい数字になるでしょ。けど、旭輝は素直にそれを楽しめるっていうか。そういうとこ、あるんだよね。  イケメンで、頭良くて、超エリート。なのに、ラブストーリーを観ながったりも可愛いとこもある。  こういうのって女の人、弱くない? 完璧で大人な男がふとした時に見せるあどけなさとかさ。  きっと旭輝が声をかけたら、いくらでも女の子が来ちゃう気がする。選び放題。そんでそんな選び放題な良い男のくせに、俺を選んじゃって。  いまだに、本当に、俺でいいのかなぁって思う時がたまにある。  たまぁにだけど。 「ン、あっ……っ」  本当にたまにだけど。 「あぁっ、深、いっ」  でも、今日みたいにデートしてると思っちゃうことが多いかな。  本当に俺でいいの? って。 「んっ、あっ」  下からクンって突き上げられて、仰け反るように背中を反らせる。 「やぁっ、っ」  背中を逸らすと、乳首を両手がキュッと摘んでくれる。もう硬く尖ったそれを摘まれるとたまらなくて、奥が太いとこにしゃぶりついた。 「あっ、ン」  頭、おかしくなりそうなくらい気持ちいい。 「やぁっ、ン、んっ」  乳首を優しく爪先でカリカリしながら、それから気持ち良くて濡れた俺のを握られて、腰が勝手に揺れて、中の気持ちいいところに旭輝のを自然と擦り付けてる。 「絶景……」 「んもっ、バカなこと、言わない、で、よっ」  今、旭輝に夢中だった。気持ち良すぎて、自分がどんな表情してたのかもわかってなくて、だから、突然、「絶景」なんて言われて焦る。  だって、絶対に変な顔してた。  気恥ずかしくて、顔を隠そうとしたら、その手を捕まえられて引っ張られる。旭輝の上に跨ってた俺は気持ち良すぎて、力が全然入らなくて、けど、感度だけは振り切っちゃいそうなくらいに良くなってるから、抱き止められるだけでもクラクラした。 「バカなことを言ったつもりはない」 「っ」  も、また、そうやって耳元で低い声で囁くし。  旭輝の、セックスの時にだけ出す掠れた声にゾクゾクして、繋がった身体の奥をまたきゅんってさせた。 「本当にそう思ったから言ったんだ」 「んっ、あっ」  体勢が入れ替わる。そして、深くまで貫いていた旭輝のがずるりと抜けると、物足りなさに孔がヒクつく。 「ん……」  まだ、もっとって。  そんな言葉は喉奥でつっかえてるけど、身体は、今繋がってた身体の奥は物欲しそうにしてる。 「聡衣」 「あっ」  次、後ろから、だ。  四つん這いになって、ベッドに手をついた、腰は少し突き出すようにしながら、さっきまで俺の中にいた旭輝のにすり寄るようにお尻を押し付けた。 「あっ、あぁっ」  すぐ続きをしてくれる。ぬるりと孔を難なく抉じ開けて。 「は、あぁぁっ」  奥まで一気に刺し貫かれて。 「あっ、もっ…………」 「っ、聡衣」  深くまで旭輝でいっぱいになっただけで、中が甘イキ、してる。だって、気持ちいい。だって、今日のデート楽しかった。 「あ、待っ」  腰をしっかりと掴まれて、そのまま、今、すごく敏感になってるのに中を熱いのが掻き分けて、擦り上げてく。  ゾクゾクって、たまらない快感が身体の中を駆け巡って、自分の声がとろとろに蕩けて、おかしくなりそう。 「あ、旭輝っ、あ、だ、めっ、そこ、気持ちぃっ」 「聡衣」 「あ、あ、っあっ」 「うなじまで真っ赤だ」 「だって」  気持ち良すぎるんだもん。  激しく揺さぶられて、奥いっぱいまで旭輝がいて。  ねぇ、旭輝の形に自分の中が変わってくのが、こんなに気持ちいいなんてさ。  強く突き上げる時にしっかり俺の腰を掴む指先の食い込む感じがたまらなく好き。  逃げないようにって手首をしっかり掴んでくれる手の熱さに溶かされそうになる。 「あぁっ」  深い一挿しに甘い悲鳴をあげた瞬間。 「聡衣」 「っ、あ、イクっ」  反則レベルの艶っぽい低音で名前を呼ばれて、奥がぎゅって、旭輝にしゃぶりついた。今度は奥でいかせてよってねだるみたいに絡み付いて、しゃぶりついた。 「っ」 「あっ、あぁぁぁぁっ、っ、…………っ、んんんっ」  激しく後ろから何度も攻め立てられて、もう――。  そう思った瞬間。 「っ、!」  うなじにキスをされて達した。 「あっ……ン」  まだ切ったばっかで、首筋に風が当たると少しソワソワする。その慣れてない、首筋にキスをされてイッた。 「……ぁっ」  それと同時に、ゴム越しで感じる旭輝の高い熱にまた震えて。 「……ぁ、ン」  振り返ると、見惚れるいい男が、険しい顔で俺だけを見つめてた。 「聡衣」 「あっ……待っ」  駄々っ子みたいに「待って」を言おうとする口を塞いで、強く抱き締めてくれた。

ともだちにシェアしよう!