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ヤキモチエッセンス編 7 こっちこそ、ですけど。

 他にきっといいいいいっぱいいるよ。  超絶美人だって。超絶美形の男だって。  お金持ちで、我儘言わなくて、素直で可愛くて、いつでもニコニコしてるような完璧な人が。  きっといるよ。 「あっ……ンっ……あぁっ」  まだうっすら残ってるこの間のキスマークがあるから、今日も襟口がゆったりしてそうなのは着れなくて。  スーツだった。  シャワーも浴びてないってばって苦情は言ったけど、ダメだって。  そのまま寝室に連れ込まれちゃった。  シャツだけ残して、もう待てないからって抱き締められた。  ボタンだけ全部外したシャツが肌に触れるのだって快感になる。旭輝の脚を跨ぐように腰を下ろして、開いた足の間、背中に回された大きな手にグッと腰を引き寄せられた。 「あっンっ」  指が俺の中を撫でてくれるのが気持ち良くて、勝手に腰が揺れちゃう。喘ぎを溢しながら、悦がる俺を見つめる旭輝の視線にさえ感じてる。 「ン……旭輝」  背中を撫でられて身体をくねらせると、ツンって尖った乳首を唇で捉えられて、そのまま舌先で突かれた。 「やっ、あっ」  切なげに硬くなった粒は飴玉みたいに舌先で転がされて、中も乳首も同時に可愛がられて、感度が振り切れそう。 「旭輝っ」 「……」 「あっ、ン」  ほら、また胸に印がくっついた。 「キスマ、つけすぎ」 「知らん」 「あっ、あぁっン」  もう首筋にもたくさんついてる。  どんだけマーキングつけるのって、笑ったら、気が済むまで、とかけっこう怖いこと言ってるし。 「まだ、付けんの?」 「あぁ」  あぁ、もぉ。  そんな怖い顔、しないでよ。 「よそ見なんてしないってば」 「そういう問題じゃない」 「あっ、それ、気持ち、いっ」  うん。そうなんだよね。きっとさ、旭輝も俺のことだけ好きでいてくれる。  よそ見なんてしないでいてくれる。  ほら、指輪がキラキラしてるじゃん。  けどさ、どんなに指輪がキラキラ自己主張してたって、どんなに好きって言ってもらえたって、怖い顔になっちゃうし、キスマークだってつけたくなっちゃうよ。  だって、こんな良い男、どこにもいないでしょ? 「聡衣?」  だから、ぎゅって、すっごい賢いことをたくさん考えられる頭を抱き締めて、キスをした。 「……ん」  舌を絡めて、濃厚で甘いやつ。唇が濡れて、絡まり合った舌が蕩けちゃうようなキス。 「じゃあさ」  大好きなんだもん。  ゾッコン、なんだもん。 「たくさん付けて……」  言いながら、旭輝の首の下のほう、シャツでちゃんと隠れるところに一つ、俺も付けちゃった。 「俺のって、印」  赤い痕を首のとこに付けられた旭輝が、射抜くように俺を見つめながら、ベッドに押し倒す。 「え、ちょっ、そこ、じゃなくてっ」  キスマーク、胸と首筋だけでいいってば。 「あ、やぁっ……ン、お風呂っ、入ってっ」  ベッドに寝転がって、背中が弓形にしなった。大きく開くよう旭輝の手が俺の太腿の内側を押さえて、その脚の根本、すっごい際どいところにキスされた。 「あっ、あぁっ」  ゾクゾクする。 「旭輝っ」  手を伸ばして、旭輝の髪に指先を絡めながら。 「あっ、ン」  また一つ付けられたキスマークに夢見心地になる。甘い気持ちが込み上げて来て、たまらなくなる。 「ね、旭輝」 「……」 「早く」  早く来てよ。 「旭輝の」  熱くて、硬いので。 「欲し……ン」  付け根にキスマがいっぱいついた脚の間に旭輝を引き寄せると覆い被さってくれた旭輝に深いキスをしてもらう。  とろけながら、重なり合った唇の隙間から唾液が溢れそうなくらい激しくキスをして。 「あっ、ぁ、あぁぁぁぁっ」  そのまま奥まで一気に貫かれた。 「あっ、旭輝っ」 「っ」  好きな人でいっぱいになる。 「あぁっ、あ、それ、気持ち、ぃ」 「っ」 「あ、あ、あっ」  奥まで旭輝で満たされて、好きな人の重みだって気持ちいい。 「あぁっ」  脚を自分からもいっぱいに広げて、甘い声上げて。 「あっ……ンっ、あンっ」 「聡衣」 「ン、ンンっ」  腰を突き動かしながらのキスにクラクラする。気持ち良くて、幸福感がすごくて、自分からも舌を絡めながら、奥でぎゅって締め付けてる。中の好きなことを小刻みに擦られるとたまらなくて、背中にしがみつく手に力が入る。 「あ、も、ダメ、爪立てちゃうって」 「ああ」 「あ、激しっ、すごいっ」 「いくらでも立てろ」 「あぁっ」  言いながら、腰を突き入れて、奥をもっと抉じ開けられた。旭輝しか知らないとこ。深くて、目がチカチカしちゃう、すごいとこ。 「こっち、なんだから」 「?」  いつだってこっちの方が焦ってるんだから。 「ちゃんと、俺だけ見ててよ」  知ってる? デートの時とかさ、女の人の視線とか感じない? イケメンって、女の子同士に言われてるのとか、聞こえない? その度にいっつも思ってるんだから。 「俺の、だもん」  そう心の中で思ってる。 「あぁ」  素直にそう返事なんかして。嬉しそうに笑ってるし。 「そうだよ」 「ぁ……ン」 「聡衣のだ」 「あぁっ……そこ、イッちゃう」 「全部」  ねぇ。 「あ、あ、あっ、ダメ、イクっ」  絶対によそ見なんてしないでよ。 「イクっ、旭輝っ」 「っ」 「あ、あ、あぁぁぁぁぁっ」  ずっと、俺だけ、好きでいて――。

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