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2-澄晴
ソファで致すのを俺が断固拒否してきたお陰で、最近になってようやく来碧さんは素直にベッドへ向かってくれるようになった。
毎晩のようにこうして同じ時間を過ごす事は仕事上難しく、ソファで一人テレビを見て過ごす夜も少なくない。となれば、そこでナニをしたなんて記憶が蘇ってしまったら俺はどうなってしまうのか。
…改めて言わせてもらうが、俺は家をオアシスだと思っている。疲れて帰宅し、リラックスしながらのんびりと録画したアニメやバラエティを見るのが好きなのだ。
ここまで来碧さんとのアレコレの現場にしてしまったら落ち着く事すら出来やしない。
「澄晴…服、はやく脱いで」
「わかったから引っ張らないで…」
この困ったちゃんのエロ星人は、一体どこまで俺の考えに気付いているのか。
そんな事を考える余裕もくれないのだから、多分一生確認する術はない。
来碧さんはキスが好きだ。
今も服を脱ごうと身体を起こせば、離れるなとでも言わんばかりに唇を自ら押し付けてくる。脱げと言ってみたりキスをせがんでみたり、求められるのは嬉しいが少々俺には難易度が高すぎる。
今までは必ずシャツの中に一枚着ていたが、それではどうしても頭を通さなければならない。
結果、白シャツの下は裸が通常になってしまったので、真夏に乳首が透けていると揶揄われたらその日が初めて来碧さんと本気でバトルする日になるんだろうな、なんて漠然と思っている。
「舌…使うの上手になったよね」
「んっ…るさいな」
唇同士を付けて、離して、次第に深まっていくそれ。初めの頃は、澄ましていても慣れていないのがよくわかる程たどたどしかったというのに、今じゃ…。
この人は、決して天才ではない。俺みたいな器用貧乏なやつらに努力一つで勝ってきた最強の秀才だ。
何度も行為を重ねるうちに、ほんの小さなヒントでも確かにコツを掴んで上達していく。
「今お前、俺の下唇…噛んだ」
「…へ、それが何か……?」
「もう終わりって合図…。もう後ろ、すぐ入るよ」
「んなっ……」
これが証拠だ。
俺のちょっとした癖一つだって、恥ずかしいくらい知られている。まさに脱げかけの彼のズボンに手を掛けたところで、つい首元に顔を埋めた。
いつもより強いΩの香りが俺を惑わし、右手の意図を察した来碧さんは小さく笑ってするりと自らの意志でズボンを下げる。あんなに痛ましかった内腿は既に肌の色と同化し、触れ合ったところであまり違和感はない。
再び自傷行為をさせない程度には、彼の心の拠り所になれているようだ。
あぁ、嬉しい。
幸せすぎてどうにかなりそう。
蜜で濡れた尻を撫でた辺りから、正直全部、ぶっ飛んだ。
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