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【SIDE:L*2】

 首に巻きついていた腕を解き、理人さんの両手をシーツに縫い付ける。  最奥に達していたそれごと腰を揺らすと、理人さんは「あぁん……」と喘いだ。 「今夜は、ゆっくりしますね」 「えっ、あっ……うん……」  覆いかぶさるように上半身を倒し、理人さんと密着する。  俺よりも冷たい肌との温度差が気持ちいい。 「ん、ん、んぅ……」  理人さんの後頭部を抱きしめたまま、ゆっくりと抜き差しする。  耳の中に直接注ぎ込まれる啼き声はすごくかわいいーーけれど。 「理人さん?」  距離を取り戻して見下ろしたアーモンド・アイには、まだ理性がたっぷり残ったままだ。 「あ、あの……さ」  理人さんの視線が、不自然に右往左往したーーと思ったら、 「や、やっぱり、優しくしてほしくない……って言ったら……怒る、か……?」 「……」 「……」 「………」 「………」 「…………」 「え、英瑠……?」 「……こ」  こんちくしょおおおおおおおおおおおおおおおッ!  この人は、  ほんと、  ほんとに、もう……! 「はああああぁぁああぁぁああ……」 「な、なんだよ! これみよがしにため息つきやがっあっ、ひぃんッ」  それからの俺は、もう容赦しなかった。 「あっあっああ……ッ」  いつもは指一本突っ込むのだって嫌がるくせに自分でローション仕込んでたなんて明かされて、理性を総動員してゆっくりしてあげようと頑張ってた努力も無駄にされて、やっぱり優しくしないでって言ったら怒るか、だって?  怒れるわけないだろ、こんちくしょうめがッ! 「あっ待っ英瑠っだめっだめだぁっ……」 「なにがダメなんですか……っ」 「ベッドっガタガタっあっあっ」  下の階の人に聞こえちゃうぅ〜、って?  そんなの、今さらだろ。   「やっあっだめっだめっ」 「だからなにが」 「きっ……」 「き?」   「きもちいいぃ……ッ」  ……は?  はあああああぁぁッ!? 「怒りました」 「えっ……あ、ひっ、いぃんッ」 「もう、許しません」 「ん、ん、んうぅぅ……!」 「優しくなんて、絶対してやらない」 「あふぅ……ッ」  仰け反った白い首筋にしゃぶりつき、わざと歯を立てて甘噛みする。  きゅうきゅうと収縮したなかに包み込まれ、俺の分身がピクリと痙攣した。  うっすらとついた歯型を舌先でゆっくりと辿り、上半身を押し戻すと、潤んだアーモンド・アイを視線がかち合う。  もう、そこに理性は残っていない。 「いっぱい、して……?」  躊躇いがちに伸ばされた細い腕を首に巻き付け、俺は愛しい人からの愛しい要求にしっかりと応えた。

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