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第4話

大事なものを扱うかのように優しくベッドに横たえられた雄介を、秀彦の匂いが包み込む。1つずつシャツのボタンが外されていくたびに、鼓動が大きく速くなるのを雄介自身は感じていた。 まだ少し湿った髪が、雄介の首筋に触れる。そっと指先を通してみると、ゆっくりと顔を上げた。 「なに?」 「ん、なんか…くすぐったい?」 「…ふーん」 今まで体験したことのない、ぞわりと肌が粟立つ感覚に戸惑っているのか、くすぐったいと表現するしかない雄介。露わになった鎖骨に舌を這わせると、ぴくりと体が揺れた。 何度もなんどもそこに唇を寄せながら、ゆっくりと降りていくのをもどかしく感じながらも、少しだけこの先に待ち受ける行為が怖いのか、雄介の指先が震えていた。その震える掌を取り、指先にそっとキスを落とし、じっと見下ろした。 「な、に…?」 「…好きだよ、雄介」 きゅっと握られた掌を包み込み、優しく摩る。だんだんと力が抜けて、そこに指を絡めた。 「うそ…だって、え?なんで!?」 「なんでって、お前ねぇ…ずっと一緒にいるんだから、いい加減気付けって」 かああっと音がしそうな程一気に赤くなる頬に唇を寄せてから、耳元で囁くように問うのは、答えが分かりきったこと。 「…お前は?おれの事好き?」 「ひぁっ!?ん、ぅう…っ」 「ほら、ちゃんと答えられたらご褒美やるぞ?」 ニヤリと意地悪く笑った秀彦が、カリッと耳朶を甘噛みする。たったそれだけの刺激でも、雄介の体に電流が走ったようにビクリと震えていた。 すっかり露わになった腹部を、触れるか触れないかぎりぎりのところで止める。潤んだ瞳から大粒の雫が零れ落ちた。 「…すげえ好き」 「ん、よく出来ました」

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