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『すみません…』
そう言って頭を下げては猫背になり、時にもじもじと指を揉む男に…ディープキスをされ、ワイシャツ越しに胸を捏ねられてる、オレ。
(何だ、このギャップは)
…知徳が入社して、ほぼ二年。 その間何度か飲み会があったが、酔うとガツガツするタイプだなんて知らなかった、と思いながら、息を乱し離れて行く欲情に熟れた顔をじいっと見つめた。
「──やっぱり」
激しく交わったせいで口元を濡らす唾液を手の甲で拭った知徳の眉間が、悔しそうに寄せられる。
「課長じゃなきゃ、ダメなんですか」
「ふっ…」
欲で膨れ上がりながらも、他の誰かに嫉妬する真剣な様子がおかしくて吹き出すと、ムッとした表情になった知徳に、荒々しい手つきで両肩を押さえ込まれてしまう。
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