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第四話 守らねばならぬもの 3

 白いシーツからはふんわりとベルガモットの香りが優しく香る。ベッドの上で絡めた足をスーっと彼の背中に這わせた。 魔女 「今夜、私も連れて行ってくれない?」  寂しそうにねだられては断り切れまい。滑らかなその素肌を撫でながら彼女の太ももを掴むと、くるりと体を反転させて自らの身体の上に座らせた。 トニー 「仕方が無いな、上手く動けたなら考えてやってもいい。」 魔女 「……好みを教えて。」  「一人で寝るのは肌寒くて好きじゃない」と昨日の晩からこのベッドへと潜り込んできたリリに、トニーはまだ手を付けていない。美味そうな女を味わわずに食すという勿体無い食べ方は、どうやらヴァンパイアは好まないらしい。肌に触れられる度に目を閉じるリリは、何かを必死に考えないようにしている様にも見受けられる。見つめ合った後にトニーの視線が逸れた事を確認すると、彼女の瞳は悲しそうに濁り床を見つめる。そして再びトニーの視線が戻ると、既に彼女の瞳は嬉しそうに輝やいているのだった。魔女がその心にしまい込んでいる面影には、どす黒い漆黒のモヤに包まれたブルーの瞳がキラキラと輝いてはモヤに隠れて消えていく……。

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