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第四話 守らねばならぬもの 8

 ガタンっ!と威勢よく扉を開け部屋に入ってきたのは今にも怒りが爆発しそうな父、エドワードだった。ライアンの犬歯がクリスの首筋に触れる寸前でエドワードはその動きをセンスで強制的に止めたのだ。ライアンだけではない、この部屋に居る彼の手下もろ共クリス以外の全員が不自然に静止している。 ミイラ男 「凄い……こんな大勢を一瞬で……」 エドワード 「間に合ったか?怖い思いをさせてしまった、申し訳ない。」  ライアンの腕をすり抜け、椅子に座り直すクリスが掴まれていた腕をさすりながらエドワードの方を向いて口を開いたその時、爆音と共に何か巨大な物体がこの部屋の外壁を豪快に突き破りクリスの目の前に現れた。見覚えのあるその物体は庭の噴水の中央に建てられていた、鎧を着た騎士の大きな像がその手に持つ剣であった。ベンが先程説明してくれていたあの像のものに違いない。金属でできたその剣はとてもじゃないが大人十人の手にしても持ち上げることなど出来まい、それをエドワードはほんの一瞬クリスが瞬きをする間にここ三階の高さまで持ち上げ外壁を破壊し、それでもってその刃先をライアンの開かれた眼球の一ミリ手前で止めたのだ。センスを解き、父は息子にこう問いかけた。 エドワード 「ジョシュアの友人に何をしている?」 ライアン 「言わなくても分かるだろ?」 ミイラ男 「……ちょちょちょっと待って!!」  険悪な雰囲気を感じ取ったクリスが急いで二人の間に割って入った。クリスのそんな行動に、エドワードは困惑した様子で首を傾げた。 ミイラ男 「無理にされてたんじゃないよ、お父さん早まらないで!」 エドワード 「……?」 ミイラ男 「ちゃんと理由があるんだ。」

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