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第7話

【side 翔】 家に帰ってソファーに倒れ込む 1人になったとたん 不安込み上げてくる ちょっと強引だっただろうか… 嫌われてしまってないだろうか… いきなり知らない人に声をかけられて ランチに誘われて ドラマの相手役をお願いされて… 自分があきの立場だったら? 逃げ出してたかもしれないな… 今日の出来事を1人になって思い返すと あり得ない事をしてしまったのではないかと なんとも言えない気持ちになった スマホを握りしめ 真っ暗な画面を見つめる どれくらいの間 そうしてたんだろうか… ふと顔をあげると窓の外は暗くなっていた 机にスマホを置いた途端 それが振るえだす 画面には登録したばかりの 『あき』 の文字 慌てて手に取って 気づけば反射的に電話に出ていた 「あっ…あのぉ… 翔さんですか?」 なるべく不自然にならないように 落ち着いたふりをして電話にでる 「あき?  電話くれて嬉しいよ さっきは本当にありがとう。 突然のことで色々とびっくりさせちゃって 困らせちゃってごめんね?」 「…翔さん… あの…そんなことないです…」 電話の後ろ女の人の声がする  『もう!早く言っちゃいなさいよ!」 きっとお姉ちゃんだろう 自分がお姉さんの立場だったら 今日の話をすんなりと信じないだろうし きっと、反対するのかも… 断られるのを覚悟した 「あき? お姉ちゃんに話したの?」 「…はい」 「それで…やっぱり難しそ?」 「いや…あのぉ… 僕、お引き受けします…」 側に行って抱きしめたくなるような とても小さくて震えてたか細い声だった 「…えっ? お姉ちゃんOKしてくれたの?」 「はい… 断るとかあり得ないって… あのぉ…今日のこと話したら、お姉ちゃん ディーンさんのドラマのDVDとかも買ってて… 次に日本で手がけることも知ってて…それで 親は説得するからって…」 「あき? 承諾してくれるのはとても嬉しい でもさぁ… それって、あきの意志? あきは本当に相手役になってもいいって思ってくれてる? 俺は、あきの気持ちが知りたいんだ…」 「翔さん…僕ね… 本当は自分の中で答えは出てたと思うの… 自信なんてない…本当に自分でいいの?って思う… でも… でも僕… 翔さん…僕、翔さんの相手役したい…」 「あき、ありがとう すっごく嬉しいよ 本当に自分でいいの?なんて言わないで。 俺は、あきがいい。あきじゃないとダメなんだ。 そう、俺の中直感が語りかけてくる。 自信なんてなくていい。 一緒に、みんなで作り上げていこ? しっかりサポートさせて? えっ? あき…泣いてるの?」 「だって… 翔さんがぁ… 翔さんが優しくて… 僕… 頑張ります 一生懸命やります」 最後には明るい声でそう言う あき しばらくあきと話したあと お姉さんに電話を代わってもらい 挨拶と概略を説明させて貰った あきと違って終始ハイテンションなお姉さんだった 兄弟のいない俺は あきとお姉さんの関係が羨ましかった 今までにはなかったような なんだかよくわからない感情が俺の心に広がるのを感じた その後、社長とディーンさんと連絡を取り合い 2日後、あきを会社に連れていくことになった そして、あきと初めて会った場所で 17時に待ち合わせをした

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