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ドリンク片手にテーブルに戻ると一気に半分くらい飲んで宮部に目をやる。
席に座って宮部も少し口をつけると、視線に気づいて宮部はグラスを持ったまま窺うようにこっちを見た。
「な、何?」
「いや、カタブツの恋はどーなったかなぁって」
「はぁっ⁉だ、だから、それ……は……」
聞いただけなのにまたグラスを倒しそうになるほど慌てていて笑いが込み上げる。
「いーじゃん!俺、女の子は好きだけどさぁ……彼女は作りたくないんだよねぇ」
「え?……澤部 さんと付き合ってるんじゃ……?」
グッと伸びをすると、宮部はきょとんとして首を傾げた。
「んー?凛華は友達ぃ!」
「しょっちゅう抱きついたり、その……キ……」
言いながら赤くなっていくその反応が堪らない。
「童貞かよ」
笑うと宮部はギュッと縮こまる。だが、
「俺もっ!」
ニッと笑うと、宮部は目をパチパチとしながら顔を上げた。
「色んな女の子と遊びたいから彼女は作らないし、ハジメテはちゃんと好きな子がいいからキス以上はしない!これ、俺のポリシー!」
「いや、意味がわからないというか……」
せっかくネクタイをキッチリ締めて決めたのに、宮部は思いっきり眉を寄せる。
「遊ぶけど付き合わない!キスはするけど一線は超えない!俺の周りに居る女の子たちはみんなそれを了承済みで今を楽しむメンバーなワケよ!」
丁寧に説明しても宮部は理解できないのか思うような反応をしなかった。
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