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あー、そういえば次って工藤の授業だっけ?なんてぼんやり思いながら凛華と中庭に出る。
さすがに堂々とサボっているとうるさいし、日差しもキツくて木陰に入った。
「あ、悪い。握ったままだったなー」
笑いながらその手を離すと、凛華はフルフルと首を振ってこっちを見る。
「ねぇ、琉生……」
見上げられて俺は何でもないようにそんな凛華を見つめ返した。
「……あのキスはしたくてしたの?それとも……言われたくなくて、した?」
凛華が答えて欲しい言葉は嫌でもわかる。
それでも……
「……いつから気づいてた?」
木に凭れ掛かってため息を吐くと、凛華の目には悲しみが浮かんだ。
キュッと握った手に力を込めて凛華はただこっちを見つめる。
「……本……気?」
「な訳ねぇだろ!……って言えたらよかったんだろうな」
そのままズルズルと座り込むと、凛華が覆い被さってきた。
ギュッとしっかり抱き締められて俺は唇を噛み締める。
「私を見てよ!琉生!本当に好……」
「凛華。……俺もそんな自分を制御できねぇくらいあいつのこと好きなんだよ」
凛華の肩に手を置いて離れると、俺は真っ直ぐ凛華を見た。
初めて宮部に対する“好き”を口にして感情が昂ぶったのか一筋涙が頬を伝う。
「……委員長には言ったの?」
「言える訳ねぇだろ」
「……そっか……」
二人で向かい合ったまま芝生に座り込むと、やたら蝉がうるさく騒ぎ出した。
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