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第3話

 一回目の投与をしてきたらしいけど、話し合いも必要だから、向かい合って話そうとローテーブルの前に座ってもらって飲み物を取りに行って戻ったら、亮ちゃんがテーブルに突っ伏していた。 「あぁぁ、あれ?ごめん。泊まっていっていいよね?ごめん、ちょっと具合悪いかも。さっき先生に説明してもらった軽い副作用かな。……ちょっと、横になるのにベッド貸りるね」  急に変わっていった亮ちゃんの顔色。  副作用出てきちゃったんだ…。熱があるような顔になって、呼吸も荒くなってきている。震えも出てるかな…。副作用って、こんな顕著に出るんだ…。それを医師に聞いたのに投与を……。 「大丈夫?俺隣についてようか?」 「う~ん。ちょっと静かに横になってみる。落ち着いたらまたリビングに来るから、そしたら話そう」 「うん…分かった」 肩を貸して亮ちゃんを寝室に連れていく。 「本当に大丈夫そうになったらそっち行くから入ってくんなよ」  可愛い顔に似合わずちょっと口が悪くなる時がある亮ちゃん。ツラくて余裕ないんだろうな。俺は口が悪い亮ちゃんなんて慣れてるからなんともおもわないけどさ、副作用って確か……。  さっき帰宅してから検索して開いたページをもう一度開いて読む。 『服用する飲み薬の副作用はほぼなくなり確認されなくなってきた。しかし、月に一度の診察時の投薬の際は、投薬した数時間後、膣化と発情の症状が激しく出てしまう副作用があり、未だに報告が後をたたない。最も、パートナーありきでの膣化の為、パートナーに手伝ってもらい処理したので困らなかったとの声を医師は診察時によく聞くそうだ』  パートナーに手伝ってもらう…。  それって、手伝うってあれだよな。つまりは性欲処理。亮ちゃんが勝手に病院に行ってきたってのはあるけれど、亮ちゃんが決心してくれて母さんは小躍りみたいな変なスキップをしながら父さんに電話して帰っていったっけ。    あの母さんの喜ぶ姿を見て、投薬は早い方がいいと思わせちゃったのかもしれない。  本当ならしっかり俺と話し合ってお互い納得してから投薬を始めてくれれば良かったのに。まぁ、毎日愚痴ってて心配させたのは俺だからなぁ。  1人で疼く身体をもてあまして我慢してるのかもと想像すると、何だか違う気がしてきた。

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