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第5話
初めての感覚と快感でほんの少しの間意識がなくなってたらしい。目を開けたら俊が精子で汚れた僕のお腹を拭いてくれているところだった。
「俊…」
「あはっ、亮ちゃん!良かったぁぁ、すぐに目を開けてくれて」
「僕、さ、俊がお見合いって言われてるの見てきて、ずっと、僕が産んであげるのにって思ってたんだ。俊と子供と僕の3人で絶対に楽しく暮らせるって」
亮ちゃんはゆっくりゆっくり横向きに壁の方を向きながら言葉を紡いだ。
「でもさ、その過程。その、エッチな所を見られる覚悟は出来てなかったみたいで、俊の顔見るの無理だわ」
「あー、確かに亮ちゃんとなら楽しい家庭になるよな。俺ら2人とも子供好きだし。子育てって楽しい事だけじゃないんだろうし、意見が合わない時もあるだろうけど、俺ら散々ケンカもしてきたから、ケンカになっても平気なの分かってるし。なんでその可能性考えなかったんだか自分でも不思議になってきたよ」
「今さらな問題言っていい?」
「何?」
「俊が僕相手に勃つかって事」
「そんな事なら問題なさそうだよ。ほら」
ほらって僕の手を取って俊が触らせたのは、明らかに平常時じゃなく、興奮状態にある性器。ズボンの上からだけど、硬いし、ズボン履いたままなのは苦しいんじゃない?って分かる大きさになってる。ていうか、、、、、大きい…。
「ねっ?」
「………うん…」
「だから、その、亮ちゃん相手に勃つか問題は何も問題なさそうだけど、さすがにね、今日投薬始めたばかりの亮ちゃんに挿れるのは違うと思うから、俺トイレで抜いてくるから。もう落ち着いた?」
「うん…」
「なら良かった。お休み。そのうち、眠った頃隣で寝るから」
「ん。お休み」
俊行っちゃった………。ここで抜いても良かったのに、なんならお返しに僕が手伝っても……って、はっ?何考えてんの僕。ないって。せっかく俊が体調とか諸々気を使って自分ちなのにトイレで抜くとかしてくれてんのに…。寝よう!すぐには眠れないだろうけど寝よう!
………俊の、大きかったな…。あれがそのうち僕のお尻に…だから、違うって、とりあえず寝ようって。
……勃起してた。僕に興奮してくれたんだ。楽しい家庭になるって。僕もずっとそう思ってた。絶対こいつと家族になれたら楽しいから何か絆があればいいのにって。そんな頃おばさんが毎日のようにお見合い写真持ってくるようになって。あぁ、これって僕の求めてた形じゃないかな…って。
つまり、結婚できるんだ!家族って形。婚姻届けなんて紙切れ1枚だけのものだけど、2人でそれ以上にしていけるはず。
悶々と考えながらも、うつらうつら眠っていたらしい。夕飯食べずに眠っちゃったけど、そんな場合じゃなかったし。
と、背中に感じた温もり。俊がバックハグする形で眠っていた事に気づく。別に日常の事だけど、首筋にかかった寝息でさっきの行為を思い出した。
順序すっ飛ばして、家族になる夢をみてしまったけれど、実際俊に指でお尻の穴をかき混ぜられた感覚は生々しくて戸惑った。
今回おばさんが見合い見合いと言ってこなければ、俊と家族って発想はなかったなぁ。ずっと好きだったけど、幼なじみって立ち位置で隣にいることに満足出来てたんだ。俊ご今すぐ誰かと付き合いたいって気持ちが無さそうだったから。
今回の事がなかったら排泄する場所を触られるなんて事もなかったはずだよね。全く、長年一緒にいても俊といると何が起こるか分からないよ。
行為を思いだしつつも、泊まりに来る度抱き枕にされていた馴れきった腕は心地好く、すんなり眠りにつけた。
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