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第3話
「おーい、俊。サラダ出来たから朝ごはんにしよう」
「うん、みんなまたね」
鳥たちと話してて今なんの時間か忘れてたんだろう、振り返った時の、あっ、そうだ朝ごはんだったみたいな顔の可愛い事と言ったら…。
朝から離したくなくなってしまう。
簡単に野菜をちぎるだけの生野菜サラダ。俊がトーストと沸かしたお湯を注いだコーヒーを持ってくる。
朝はいつもこんな感じ。夕飯は俊が四苦八苦しながら頑張って作って、外で働いてくる俺を待っててくれる。
俊がドジな事をして火事を起こさないように、それだけは周りの動物達に注意して頼んでおいた。俺は彼らの言葉は分からないけれど、俊に関する事だから、きっと動物たちは理解してくれてるはずだ、と思う。
現に、夕方仕事を終えて帰ってくると、家の中はそれはもう賑やかなものだ。
みんなにアドバイスを貰いながら作る料理はなかなか楽しいらしい。
それでも失敗はあるけどね。頑張ってくれてるのにそんな事、怒るような事じゃないから。
「亮ちゃん、今度のお休みさぁ、お山に行ってみない?ピクニックがてら。亮ちゃんにふきのとう採ったら食べる?」
みんながせっかく教えてくれたから行かなきゃと思ってるんだよね。
「いいよ、行こう」
あーあー、嬉しいのが表情どころか動きにも出てて、踊りながら食べてるよ。ほんとなら行儀悪いよって教えてあげなきゃならないんだろうけど、楽しいそうだし、そんな俊を見てるのは俺も嬉しいしね。
ふきのとうを採りに行こうと言った休みの日当日も、ベッドの俊がいるはずの場所は空だった。
休日朝はベッドでイチャイチャしてから起きたいんだけど、仕方ない。きっと鳥たちに今日山に行くとか伝えてるんだろう。
寝室の窓を開けてみると、案の定俊と鳥たち、と、邪魔者が。
隣に住む2歳年下のさわやかイケメン、崇。
結婚してここに来てからというもの何かと邪魔をされている相手だ。
2人で揃って引っ越しの挨拶に行った時に、どうやら俊の事が気に入ったらしい。
「亮ちゃーん、おはよ〜、今日ね、崇も一緒に行きたいって。いいよね?」
俊のおねだりに逆らえるわけがない。俊は隣の崇を、弟みたいだって可愛がってるから。
俺は多分、左右非対称のひきつった笑顔で承諾の返事をした。
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