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もやもや・・・

・・・気にして無いなんて嘘だ。 東堂高雅は高校時代も、唯一気になった存在だった。 他のαと違い、校内では誰と連む事も無かった。それなのに、色々な噂は絶えず聞こえていた・・・その度に、βの自分じゃダメだと否定されていた気分になっていた。 けれど、Ωになった 自分が、東堂の番になれる可能性が出来た その事に、気がついた時は何とも言えない多幸感に包まれた。 でも、番になれるとして・・・ もし、自分よりも相応しいΩが現れたら・・・? 同じバースタッフのΩの男の子は、自分とは違いΩである事に前向きで、いつも恋をしている子だった。尊と背格好は似ているが、手足が長く、おしゃれにも気を使っていて、その子は自分のアピールポイントを知っていた。尊とシフトが被れば毎回、服装や髪型にチェックが入った。その子の話題はいつも恋愛話で、恋愛なんてした事の無い自分にはわからない事だらけで、ただただいつも話を聞くだけだった。けれど・・・、こないだ東堂のを初めて口にした時、その子の言っていた事が少しわかった気がした。けれど、あの事件以降、バータイムに出勤する事が無くなったせいで、その子に会う事は無かった。  そういえば、あのオメガナイトの日も一緒のシフトだったけど、元気にしてるかな? 今だったら、一緒に恋愛話とかできるのかな・・? 思わず、口元が綻んでしまう。 歳の近いΩの存在に、こんなにワクワクするなんて初めてかも知れない。 気がついたら、グラスに注がれていたワインを飲み干していた。 「そのワイン気に入ったか?」 「え?」 「嬉しそうな顔して飲んでるから。」 「・・・うん。料理も美味しいし、ワインも美味しからかな。」 何よりも、東堂が自分のために用意してくれた事が嬉しい。 定期検診も毎回、病院まで付き添うと東堂は言っていたが、明日は血液検査だけなので、ついてこなくて良いと伝えたら、その日は尊が意識を手放すまでベットから解放してもらえなかった。 それでも、なんとか病院までの送迎で納得してもらったのだ。 こんなに甘やかされて、東堂と離れる時がきたら自分はどうなってしまうのだろう・・・。 東堂が、自分以外のΩとブリーディングするのは嫌だな・・・。 東堂の口に、一口サイズに切られた肉が運ばれる。 中から覗く舌が、自分の身体に与える感覚を思い出してしまう。 グラスを持つ、自分よりも大きく骨張った手が、柔らかな双丘を掴み押開いて尊自身今まで触れたことの無い場所を暴く感覚も・・・ なのに、東堂を盗み見ることをやめられないでいる。 あの目に見つめられてしまうと、何も考えられなくなってしまうから、こうやってチラチラと見てしまうのだが・・・、それはそれで色々と思い出してしまう。 慣れる日が来るのかな? プッ 「え?」 「す、すまん。 さっきから、尊が百面相してるから・・・。」 そう言って堪えられなくなった東堂が、目尻に涙を浮かべながら笑いだした。 いつの間にか、全て食べ終えていた皿を片付けながら、東堂が尊の方へ近づく。 あ、キス・・・。 軽い音と共に、唇にキスをされる 「ご馳走さまでした。」 そう言って、もう一度。 「・・・、ここ片付けるから・・」 東堂の唇が離れていこうとするのを、無意識に尊の手が引き止めていた。 「・・・おかわり・・・」 その言葉に、一瞬目を丸くした東堂だったが、手にしていた食器を置くとそのまま尊の顔に手を添え、今度は深く、あの肉の様に東堂が尊の舌を味わう。 尊の腕が、東堂の首に絡みつくと、さらに2人の口付けは深くなった。 離れたくないのに、でも慣れてない尊は、すぐ息が上がって唇が離れてしまう。それを、東堂が追いかける。何度となく繰り返され、尊の腰はすでに抜けて立ち上がる事ができなかった。 「折角、今日は我慢しようと思ったのにな。」 「なんで? ・・・しないのか?」 「無理。 ベットいこうか?」 「えっ・・・。うわぁ!」 そのまま横抱きに抱えられ、リビングの奥にあったベットルームへと連れてかれる。 いわゆる、お姫様抱っこされている事に、恥ずかしくなり降りようと尊がもがくがそのまま東堂はベットルームまで進んでいった。 「ちょ・・・暴れると落とすぞ。」 「と、東堂、恥ずかしぃ・・・って・・・。」 リビングから見えた夜景も綺麗だったが、運ばれたベットルームから見えたのは、月明かりに照らされた海の夜景だった。 「・・・綺麗・・・。」 思わず、そう言って東堂の顔を見上げると、東堂は尊の方をずっと見ていた。 その事に気がついて、顔が赤くなる。 部屋の明かりは着いていないのに、月明かりだけでも尊が赤くなったのが東堂には十分に伝わった。そのまま、ベットへ下ろすと、尊のシャツのボタンを一つずつ外していく。 少しずつ、あらわになっていく肌に月の光を浴びる。 小さく色付いた二つの粒が、光を浴びてうっすらと影を作る。 その影に、舌を添わせれば与えられる感覚に期待しているのか、尊の胸が激しく鼓動するのが伝わってくる。舌と指で、摘んで捏ねるとその鼓動はさらに速さを増し、尊から漏れる吐息は甘さを増していった。 「や・・。と、東堂・・・。 あん・・・あ・・・・。」 さっきよりも、硬さと赤味を増した粒を執拗に舌で舐め、吸いあげるとそれだけで軽く尊は達してしまっていた。 「あ、ああん・・・。」 「脱がしても良い?」 ベルトに手をかけ、一気に下着ごと脱がすと、外気に晒された刺激すら尊を絶頂へと押し上げた。  「もう、先端から溢れてる。 そんなに、ここ気持ちよかった?」 胸元でそう囁かれるたびに、唇が尊の乳首に触れる。 「や・・そこで・・・しゃべらないで・・。」 「・・・何で? こんなに、固くしてるのに?」  「あ! だめ!! 摘んじゃ・・・やっん・・・つぶさないでぇ・・・」 「じゃぁ・・・、これなら文句無いだろ?」 「え・・あああああああ!!! や、やん・・・だめ。 そんな、両方・・・ああああ、や・・・ンンンン。」 両方同時に、舌と指で責められる。いまだに、触れられてない尊自身からも蜜がこぼれ始める。 東堂とセックスをする様になって、初めて自分の性器を尊は意識する様になった。 「あ・・・ああ。と、東堂・・・下も・・・さ、触って・・。ん・・・」 胸だけの刺激じゃもどかしくなった、尊が強請る様に東堂の腹に擦りつけてししまう。 そんな尊をあやしながら、勿体つける様に上を脱いでいく。 「尊ので、びしゃびしゃだな。」 濡れた腹の部分を、わざと見せつけつ様に東堂が顔を近づける。 「や・・やだ・・・」 自分の出したもので、濡れたそれを嗅がれるのも恥ずかしい。 それよりも、離れてしまってるのが寂しい。 色々な感情が入り混じって、尊自身が自分の感情を理解できていなかった。 その手は東堂にのばされ、受け入れらればしがみ付いて離れたくなかった。 それが、東堂自身も嬉しくてワザとやっている事に、尊が気づく余地は無かった。 毎回、東堂は、指や舌で尊を攻め、尊が懇願するまで、尊自身ににも秘孔にも触れる事はしなかった。その所為で、尊は毎回意識を手放す程、抱き潰されていた。 「あ、あああ・・・。と、東堂。もう、お願いだから・・・。ん!!! あああ・・・。」 パタッ・・・ 「・・・・、おやすみ尊。」 額と頬にキスを落とし東堂は、ベットルームに尊を残してリビングの方へ向かった。

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