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君は僕のモノ2
「!!!!!」
「あーあ。少し切れちゃったかぁ・・・。 消毒しとこうね・・・。 安心して、これくらいなら痕は残らないから・・・。それよりも、君の体には僕のものだという印をつけないとね。」
ナイフで切れてしまった所を、丁寧に舐められ消毒される。
顔もとのナイフが、抜かれたと思ったらそのナイフが今度は自分の首元に当てられる。
刺される!?
全身が恐怖で震え上がる。
「これ、今までのものと違うよね・・・。」
冷たいナイフの感触が、ネックガードの厚い革を切り裂いていく。
ブチっ
ネックガードが切り裂かれ、左右に滑り落ちる。
「ああ、良かった。ここはまだ綺麗なままだね・・・。」
「!!!!!」
嫌だ・・・嫌だ・・・・
ネックガードが外され、首筋が露わになる。
先輩は、βだから番になる事はないが触れる度に吐き気がする。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ・・・
助けて・・・東堂・・・。
鎖骨から指がなぞるよに首筋を辿る
首筋に、息がかかる。
嫌だ・・・・
その瞬間、バスルームの方から物音が聞こえた。
チッ・・・
「あんのΩが・・・!!」
舌打ちをして、物音のした方へナイフを持って尊の側から離れる。
ベットの上に残された尊の涙が止まらない。
嫌だ・・・嫌だ・・・
怖い、東堂・・・。
コンコン
ゴンゴン!!!!!!
バリン!!!!!!!!!
「!!!」
その瞬間、ガラスを割って中に東堂が入って来たのと同時に玄関からも一斉に防具を持った男たちが入って先輩を取り囲む。
「クッソ!!!! お前らなんなんだ!!!!!!
うわぁーーーーーぁxあっぁ!!!!!!!!死にやがれ!!!!!クソが!!!!!」
ナイフを振りまわし暴れるが、防具を持った男達が取り押さえる。
「み、尊!!!!!!」
ベットの上で、酷い状態になっている尊の側へ駆け寄り自分のきていたジャケットを体にかける。そのまま一度抱きしめる。
「んん!」
抱きしめられた振動で、涙が溢れでる。
口に入れられたタオルと取ると、尊の口からは東堂を呼ぶ声しか出てこなかった。
手足の拘束を取られ、陰茎に刺さっているカテーテルに東堂が手を伸ばすが・・・、知識も無い自分が抜いていいものかと躊躇する。
「東堂・・・東堂・・・。」
尊自身も今は、それよりも東堂の腕が体が離れる事が怖いのか、しがみついて離れなかった。
「・・・尊。」
東堂は尊をシーツで包んで、尊の震えが収まるまでずっと、抱きしめていた。
男達に取り押さえられた先輩が、ベットの上の東堂を見ると、喚きちらしす
「くっそ!!!!!!!! 全部、全部てめーが悪いんだ!!!!! 僕と宮君の前に現れるから!! 出来損ないのαが偉そうにしやがって!!!!!!! 母親相手じゃねーと興奮しない変態が!!!!!!! 未だに、抑制剤がないと生活できないんだろ!!!!!!! 不能野郎!!!!!! お前に、彼は相応しくないんだ! その汚い手を離せ!!!! 彼は、この僕の物なんだよ!!!!近親相姦野郎が!!!!!!」
ガッツ
男の1人に殴られるがそれでも、先輩は連行される最後まで喚き散らしていた。
それも、尊には聞かれたくない内容を永遠と・・・
東堂・・・?
先輩は一体何を・・・・?
尊を抱きしめていた、東堂の腕が震えていた。
シーツの中から、尊が東堂を覗き見る。
何かを堪える様な顔をして、尊の事を離さない様しっかりと痛いくらい強く抱きしめていた。
その顔に、尊は声をかけることが出来なかった。
その代わりに、尊もまた力一杯東堂に抱きついた。
先輩が連れて行かれて静かになった部屋で、不意に声がかけられる。
「・・・高雅、大丈夫か?」
「!!」
聴き慣れた声に名を呼ばれ、顔をあげると、血まみれになった先生を東堂を呼んだ男が抱きかかえていた。
「あー、先生は大丈夫だ。見た目ほど傷は深くないから・・・。それより、今、救急隊がくるから・・・、お前がしっかりしろよ。」
「あ、ああ。」
救急隊の姿を見た時に、尊も東堂も気が抜けたのかそのまま意識を失った。
次に、尊が目覚めた時には2人とも病室のベットの上だった。
最初、尊と東堂の病室は別で用意されたが、尊が強く望んだ事と先生の助言のおかげで同室が特別に許可された。
尊が受けた肉体的損傷は、ナイフが掠って出来た切り傷、尿カテーテルの挿入。腸内洗浄が行われていた事の他は、幸いにも未遂で終わっていた。傷らしい傷もつけられてはおらず、感染症の心配も杞憂で済んだ。
中を弄られた時に、使われた物は潤滑液で成分に発情を促す物質の入った物だった。
それよりも、東堂の方が重症で、全治1ヶ月と診断される程だった。
頭部打撲、左腕の裂傷。最初にその説明を聞いた尊は、自分の事の様に悲痛な表情を浮かべ、眠ったままの東堂の側から離れなれる事が出来なかった。
あの時、抱きかかえられて運ばれた先生も、顔や白衣に血液が付着して血まみれに見えたが、襲われた時に抵抗した際に切れた擦り傷、切り傷からの血液と、風呂場に縛られていた時に、暴れて出来た怪我でどれも軽傷ではあった。唯一、襲われた時に顔を殴られたせいで、2週間は眼帯が外せなかった。
東堂が意識を取り戻したのは、運ばれてから三日経ってからだった。
「!! と、東堂!! よかった・・・。」
「・・・尊?」
ゆっくりと、東堂が目を開けるが焦点がまだ合わないのか・・・尊の方に手をのばそうとするが、上手く触れる事が出来ない。
「!!! ここだよ。ここにいる!!」
のばされた手を握ると、嬉しそうな顔をする。 その顔を見て、尊の視界が滲む。
「尊が無事で、良かった・・・」
「うん、うん。・・・オレも東堂が生きてて良かった・・・」
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