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君は僕のモノ3
病院でカルテが紛失した日あの日。
東堂へ連絡をしていたのを立ち聞きした先輩は、先生の後を尾けてプライベートクリニックで東堂達を待ち伏せていた。
元々、尊に高校時代から好意を寄せていたが、卒業と同時に尊との事は淡い思い出となっていた。その後、医師を目指すが適正が無いと判断され、看護師になるが最初に就職したα専門医療機関で、後輩のΩ看護師へのストーキング及び、同僚のα看護師への嫌がらせで解雇。
この病院へは、遠縁の親類の伝手で就職をしたのと同時に、尊が後天Ωと診断されて通院している事を知り、それ以来時期をずっと伺っていたのだった。
その時期というのは、尊がマッチングリストに載る時期の事だった。
マッチングリストに載って仕舞えば、本人が嫌がろうとも国がαを充てがってしまう。
それならば、そのタイミングで自分のモノにするつもりで、尊の事をずっと見ていたのだった。
仕事場へも、何度も通ったりしていたが一度も気がつかれる事は無いまま、あの日尊はリスト入りする事を許可された。それも、オメガナイトの日に。
いても経ってもいられず、あの日店に行くと、尊と東堂が自分の目の前で惹かれ合ったのがわかった。それも、あの東堂と・・・。 他のαならまだしも、あの東堂高雅。
また、あの男。
取調べ中、色々と思い出したのか、興奮しながら騒ぎ始めると、話を聞いていた男が止めに入る。先生を抱えて部屋を出て行った東堂の知り合いの刑事は、そんな事も気にせず話を進める。
「あんな男、殺して仕舞えば良かった。」
「オイ!!!! お前、反省してんのか!!!」
「はっん。そんなもの、なぜこの僕がしなければいけないんだ!! 大体、あいつも宮君も見る目が無いのがいけないんだ!!」
バン!!
横から思いっきり机をに拳を落とす。
メガネのレンズに刑事の怒りに満ちた顔が反射して写り込む。
「お前、前の事件の事も・・・」
「・・・ああ。あんた、あの時のか・・・。どうりで、見覚えのある顔だと思ったや・・・。そっか・・・、そうか・・・。あーあ、ついて無いなぁ・・・あの時も今回も結局、2人とも僕のモノで犯してやれなかったのは、本当に残念だったなぁ・・・。あんなに丁寧に中まで綺麗にしてあげたのに。何度も何度も中痙攣して、僕の指を吸い込むようになる頃には、腸内をすっかり綺麗になって、尿だって空っぽ綺麗にしてやったのに・・・」
「おい・・・やめろ・・・!!やめろって言ってんだ!!!」
「ああ、思い出した・・・その目の色。「お兄ちゃん助けて・・・。お兄ちゃん」って言ってた子と同じ・・・だ・ッツ・・!!!!!!」
言い切る前に、男の頬を殴り飛ばしていた。
かけていたメガネが取調室の床に吹きと飛ぶ。
「オイ、それ以上何か言ってみろ・・・。オレが、お前をここで殺す。」
「あははははははははは!!!!!!! そんな事してみろよ!!! Ωのお前に何が出来るってんだ!!!!!!!!!!!底辺のΩが!!! どうせ、兄弟揃ってαの慰みものになってんだろうが!!!!」
ガッシャン
「ッツ!!」
「・・・残念だな。オレは黙れと言ったんだ。」
椅子ごと、倒され馬乗りになられて、男が本気だと感じた時にはもう何も言えない程に顔の形は変わっていた。取調室に他にも刑事はいたが、誰一人として止める者はいなかった。むしろ、殴られている男を蔑んだ目で皆見ていた。
男の携帯が鳴るとようやく殴るのを止め、部下に指示を出した。
「・・・・オイ。取調べ中に、被疑者持病の為、急死とでも後で報告しておけ。」
「はい!!畏まりました!!」
「・・・な・・・なんで・・・」
取調室を出ていく男の姿を殆ど見えてない目で追おうとするが、急に視界が黒い布で塞がれる。同じように口にも、尊にしたのと同じように布が詰め込まれる。
体を椅子に座らされ、手足を縛りつけられる。
何かが、注射される。
「お前も馬鹿だよな・・・。あの人は底辺Ωでもお前と同じβでもないんだよ。」
その言葉を最後に、全身が震えだし呼吸が上手く出来なくなった。
遠くで、人を呼ぶ声が聴こえるがそれも段々と遠くなっていった。
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