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一生分のしあわせ 7

  ※  悠里を布団に寝かせて、上から見下ろす。とろりと溶けた悠里の瞳が僕に向けられている。それだけで僕の全身が反応してしまう。 「悠里、好きです。好き。悠里、悠里……」  言葉の合間にキスのシャワーを降らせた。額、頬、鼻、唇、鎖骨、はだけた浴衣からのぞいた脛、膝、太もも。  その度に悠里がぴくっと身体を揺らすのが嬉しくて、何度も口づける。 「んっ、健人さん……」  悠里が声を漏らしたので顔を上げると、潤んだ目で僕のことを見ていた。  全身を紅潮させ、唇は僕を誘うようにわずかに開いている。 「悠里、その顔。僕をさらに煽って、どうする気ですか」 「そんなことしてない。健人さんから仕掛けてきてるくせに」  悠里が僕をにらんでくるが、涙目でそんなことされても怖くない。むしろ。  ――かわいすぎる。興奮する。  悠里の脚を開かせると、膝に硬いものが当たった。そのまま膝を押しつけ、軽く動かすと、悠里が跳ねた。 「こんなに膨らませておいて、全然説得力ないですよ。体は正直ですね」  膝を使って振動を与えてみたら、悠里が喘いだ。 「あ、んん! やめて……」 「もっとやって、の間違いでしょう? ほら、どんどん硬くなってくるよ」 「くっ……は、んっ、健人さんのせい……だから……っ! 健人さんがエロいキスするから……あっ」 「こんな大事なところを膝で雑に扱われて感じるなんて、悠里は変態ですね」  耳元で囁く。悠里の目から涙がこぼれ落ちた。 「ああっ、違っ、やめて……やだ」 「知ってるんですよ、僕。悠里がこういうこと言われるの好きなの。やだって言いながら、ほんとはもっと言ってほしいんでしょう?」  涙をなめながら左手を悠里の体に這わせる。 「……あっ」  悠里が吐息を漏らした。 「気持ちいいの?」  悠里の顔を見るために離れて尋ねれば、焦点の合っていないぼんやりした目を向けてきた。 「……うん。きもちい」 「どこがいちばん気持ちいいですか?」  浴衣の合わせから手を滑り込ませて、胸の飾りに優しく触れる。悠里がぎゅっと目を口を閉じた。 「ほら、言って。どこがいいの?」  膝に上下に動かし、昂りを刺激すると、悠里が大きな声を出した。 「ああん! ぜ、全部……」 「ふっ、全部なんだ。かわいい」 「ちょっと、休憩、させて」  肩で息をする悠里を見て、ハッとする。前室でもそうだったが、今の僕は性欲に乗っ取られてしまっている。  こんなに攻撃的なプレイでも感じてくれるので、つい調子に乗ってしまった。力を緩める。  ――かわいい。かわいい、悠里。感じてる顔、もっと見たい。僕の手で、もっとぐちゃぐちゃに乱れてほしい。  ――全部悠里のせいだ。悠里がこんなにかわいい顔をして僕を誘ってくるから。襲ってほしいみたいな顔をしてるじゃないか。ほら、やっちゃえ。  欲望はとめどなくあふれてくる。どうにか押しとどめようと黙っていると、悠里の手が僕の両肩に置かれた。 「けんと、さん……」 「なんですか?」 「すき」  どれだけいじわるをしても、しつこいくらいまとわりついても、悠里は変わらずに僕を好きでいてくれるから。愛おしくて、愛おしくて。悠里を好きだという思いがどんどん膨らんでいく。 「ありがとうございます。僕も好きです、悠里」  悠里が僕の頬を両手で挟んだ。引き寄せられて、唇が重なる。

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