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第6章 4
夏野は萩原を突き飛ばすと、乱暴にその体をうつ伏せにした。かつては必ず行っていたSafe Wordの確認もせず、Glareを使って強引に意思の自由を奪う。最近はこうすることが増えていた。夏野以外のDomを求め始めている萩原を支配し、満足させるにはそれ以外の方法が思いつかなかったからだ。
「大人しくしろよ。大地が悪いんだからな」
腰を持ち上げて着ているものをずり下ろすと、萩原の窄まりに自身のものを押し当てる。解すことも濡らすこともしていないその穴に屹立を捻じ込むと、狭い入り口に握り潰されるような痛みが走った。この行為で2人が得られるものは快感ではなく苦痛だけだったが、夏野はそれをやめようとはしなかった。
「あ゛っ……うぅっ……」
「大地、痛いか?俺も痛ぇよ。でも、大地は俺にこうされたくてわざとやってんだろ?わかってんだよ、全部。大地のことは全部俺がわかってる。大地が欲しいものは全部俺が与えてやる。だから……」
ずりずりと押し込んだものを引き抜いていくと、萩原が前に手を伸ばして夏野の下から這い出ようとするのが目に入る。夏野は右手を振り被ると大きな音が出るようにその尻を叩いた。
「あああっ……」
「だから俺から逃げんじゃねぇよ」
繋がったまま、何度も何度も肉付きの薄い尻を叩き続ける。手のひらがじんじんとして痛かったが、夏野の心は怒りと乱暴な欲望にすっかり支配されていた。
夏野が体を離すと、床に伏せた萩原の体が以前よりもずっと小さなものに見えた。真っ赤になった尻、脚の間を伝う白濁した液体と赤いものが夏野の心を掻き乱す。
――俺は何てことを……。こんなのもうPlayじゃない。ただの暴力だ。
「大地……」
ごめん、そう言おうとしたはずが、弱々しく震えながら振り返る萩原の表情を見た途端、夏野はその口を噤む。
「晄、ごめんなさい。僕は……悪いSubで」
その顔は悦楽に満ち、漆黒の瞳は飽くなき欲求を溢れさせている。
「謝るくらいならすんじゃねぇよ」
その言葉が自分の胸に突き刺さるようだったが、夏野は心と裏腹の行動をとる。
不安と欲望に駆り立てられるまま、再び萩原の腰を掴むと、精液と血液で濡れたその場所に指を突き立てた。
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