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お留守番3

「それって…二度と出てこれなくなる系?」 幸は脱いだ袋を来て首を傾げる 「いや、違う。目処がつくまでだよ」 「面会とかは?」 「できるよ」 指宿の話し方はあくまで優しい ふんわりほんわかした感じだ 「精神科医ってみんなそんな感じ?」 「そんなって?」 「いや…なんつーか優しい?ふわって感じ?」 「どうかな?ぶっきらぼうなのも怖いのもいろいろだよ」 顎に手をつき思案顔の指宿はなかなか整った顔立ちをしている 蓮ほどじゃないが…と思うあたりかなり自分もやばいかも知れない。と幸は感じた 「コウくん…誘拐されたのはいつ?問診と思って応えてくれるかな」 「えと…夏休み入る日」 「てことは約2週間になるのか」 ぶつぶつと指宿は呟き頭を整理している 「で、解放予定は?なんも聞いてない?」 「あ〜…えーと、8月20日?1か月の約束だから」 「そうかやはり計画性はあると…」 指宿はなおも続ける 「ちなみに何された?話せれば話して」 「う…導尿とかセックスした。あと…なんかおもちゃ?使ったり他にもしたけどあとは言えない」 「導尿って!!」 指宿は驚き声を荒げた。 「あれ、痛いね。もうしたくない」 「そりゃそうだ…なんでそんな目に?」 「手も足も4つとも縛られてたから」 心底哀れんだ目で指宿は幸を見つめた それを見てらいたたまれなくなった幸は話をそらし指宿に尋ねた 「蓮先生ってさ、入院するほどやばいの?」 「いや…通院でも大丈夫だろうがただ君を手放す日さ、怖いよね」 「それはそうかも…」 刺したり…はないだろうが、ありえないとは言い切れない 「だからその日僕が来るから」 「え?」 「この残り2週間コウくんには蓮が入院に納得するよう説得してほしい」 さらっと指宿は言うが難しすぎて返事ができない 「難しい?」 「いや…だって今日いま蓮先生はイブスキとオレがこうして会ってるのも知らない訳じゃん?そっからどうやってそんな話にもっていくんだよ」 「ん〜まずは俺のことは伏せて心配だから病院行っておいで〜とか?それはそうと…」 指宿は腰を屈めて幸の顔をのぞきこみ 「何でさっきからコウくんは僕のことをイブスキと呼び捨てするのかな?一応先生なんだけど」 「あ?いや。なんとなく?え〜とイブスキ先生?」 「そうそう。目上に対する態度って大事だよ?」 クスっと笑みを浮かべ指宿は時計を見た 19時50分… 「コウくん、蓮はどこに行ったのかな?そろそろ20時なんだけど」 「20!?」 「え?なんかまずいのかな?」 「今日は午後診やるから帰りがそれくらいって」 幸の顔は青ざめる。 「まずいってこんなん見つかったらガチ切れするって」 「だね」 「早く縛って!!」 「え!?」 指宿は幸の言葉に驚く 縛るのを自ら望むとは… 「早くっ」 「わ…分かったよ」 指宿は幸の足を輪に通しマグネットをとりつけた 「妙な気分だよ。こんな拘束は」 「そんなんより早く帰れって!!」 幸は焦る 「電話、待ってる」 「は?」 「まずは拘束解除してもらうのが目標だよ。家電に僕のアドレスあるからそこにかけて。履歴消せばバレないから」 指宿は言い捨てて部屋から消えた

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