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第35話※
家に帰ってきて、アイスワイン飲むか?と十和田に聞かれたから、千輝はコクンと頷いた。
その前に一緒に風呂に入ろうと言われ、シャワーを浴びる。最近、十和田とは、よく一緒に入浴をしている。
「檜の浴槽でいい香りだから、湯船に入りたいですよね」
「そうか?」
二人で入るのだから、ゆっくりしたい気持ちもあり、千輝は浴槽にお湯を張り浸かりたいと言うが、十和田はシャワーだけでいいらしい。
さっさとシャワーを浴びてベッドルームに行きたいと、十和田の態度を見ればわかる。
手慣れた感じで、シャワーを浴びている間に準備をされる。準備とは千輝の身体の準備だ。
十和田が率先して千輝の後ろを解しているが、これからセックスをするぞと、言われているようで恥ずかしい。
そのことを伝えたら、シャワー中もキスをしたり抱き合ったりとスキンシップとムードを作ってくれている。十和田にしたら相当頑張っているんだと思う。
頑張っている十和田を見て、早くベッドに行きたいんだろうなと思いながらも、千輝からも抱きついたりしているので、バスルームの中で早々に始めてしまうことも多くあった。
だからこそ、お湯の中に入り、ゆっくり二人でいちゃつきたいと思ってるのに。中々、その辺は折り合いがつかず、お互いの気持ちに多少ズレがある。
とはいえ、シャワーだけ、お湯を張り一緒に入る、どちらでもそんなに大きな問題はない。本当に些細なことだ。そんな些細な問題で頭を悩ましているのは、幸せだと改めて思う。
十和田は「エロいこと好き」と自身でも声を大にして言うだけあり、一日中でもセックスをし続けることが出来そうである。体力も相当ありタフである。
千輝はそこまで体力がないので、付き合うのは濃厚な一回か、二回にして欲しいと思っている。
十和田とのセックスは気持ちがよく、自分から求めてしまうこともあるけれど、セックスした後、一緒のベッドに寝れることに幸せを感じる。
「大誠さん…好き…」
色々と考えていたら口から出てしまった言葉。十和田が好きだ。考えることのほとんどが、十和田のことだ。
恋に落ちたと自分の気持ちがわかった。
してやられたなという感じが近いだろう。
毎日生活を送りながらも考えている。
この人のことを。好きな理由を…
指輪を貰って更に気持ちが固まった。
覚悟を決めて十和田を支えていきたい。
ずっと隣に立ち続けていたい。
それと、他の人には渡したくない。渡さない。
いずれも自己満足になり、独占欲になるのかもしれない。
そうなったとしても、そのためになれる自分はどんなだろうか。色々と考えている。
「こら、千輝。俺の方を見ろよ?やきもち焼くぞ?」
何か考えていたのがわかったんだろう。
「あなたのことを考えていたのに」と笑ったら、目の前にいる俺の他に考えてること全てにやきもちを焼くと、言われた。
例え、考えてるのが俺のことでもそいつにやきもちを焼くんだと。
自分自身にも、やきもちを焼くというめちゃくちゃな言い分だが、何となくわかる気もするから声を出して千輝は笑ってしまった。
せっかく良い雰囲気になっていたのにと、二人で笑い合うことになるが、それも楽しい。十和田と過ごすプライベートは本当に心から安まる。好きな人の存在は大きい。
ベッドルームに入ると、十和田がアイスワインとグラスを持ってくるというので、引き留めた。
「ダメ…ここにいて」
千輝は笑いながらそう言い、大きな身体の十和田を押し倒し、ベッドに横にさせる。
ん?と、十和田は言うが嬉しそうに目を細めている。
横になる十和田の上に座り唇にキスをした。そうするとやっぱり素早く千輝の腰に手を回してくる。素肌で抱き合うのは気持ちがいい。同じボディソープの匂いがする。
そのまま首、胸へキスをし、大好きなおへそにもキスをする。
いつも十和田はくすぐったがり、「へそは勘弁してくれ」と言うが、今日は許さないですよと言った。十和田は笑い声をあげている。
「アイスワインを飲むとすごいことになるとか言って…もう…許さないですから。アイスワインは好きだけど、飲まなくったって、あなたの好きなすごいことは知ってるし、僕だってすごいこと好きなんだから…」
と言いながら、十和田のおへそにまた音を立ててキスをした。
以前、アイスワインを飲んでセックスをした時、少し酔っていたのでいつもより大胆になったことは認める。その時は、もっとしてと、ねだってしまった。
その姿を見て以来、やたらと十和田はアイスワインを飲ませようとしてくる。
「飲んでも飲まなくても、変わらずにあなたを愛して、愛されるんだから…覚えておいて」
そう言いながら、おへそから更に下に千輝はキスをしていく。十和田の匂いが好きだ。
十和田のペニスは既に勃起していてそり返っている。千輝は両手で掴み、先端をちろっと舐めた。その後もずっとちろっちろっと先端から下に向かい舐めていると、十和田のペニスはビクビクと動いているのがわかる。
どんどん大きく膨張していく。焦らしているわけではないが、先走りがダラダラと流れ始めていた。十和田は精子も先走りも量が多い。
十和田の方を見ると目が合った。堪えている顔をしている。千輝は目を離さないまま、大きく口を開きペニスを頬張る。
「…あぁ、千輝」
名前を呼ぶのは大切なことだと教えてくれた。掠れた声で名を呼ばれるのは好きだ。
ぐしゅぐしゅと口を上下に動かす。十和田は千輝の髪を撫でている。先走りが口の中に広がる。苦味を感じるが、好きな人のものだと思うと、もっと欲しいという感情が湧いてくる。口に含みながら、愛おしい人の亀頭の先端を舌で転がした。
「千輝、ちょっとダメだ、イキそうだから
もう離せ」
大きくて全てを頬張ることは出来ない。半分も口に入るかどうかだ。入らない半分は両手で擦り上げる。更に口の中で十和田のペニスは大きくなった。
「あ…離せよ…ほら、千輝」
口と舌を上下に動かしながら、グチュグチュと口で扱き上げる。口の中でペニスが更に大きくなり、ダラダラと汁が流れ出ているのがわかる。
十和田の荒い声が聞こえる。興奮し達きそうになっているのがわかる。その姿を見ると千輝も興奮してしまう。自分のペニスが立ち上がっていくのがわかる。
「あっ…千輝、くっ、はぁ、」
十和田は千輝の口の中に射精した。
口の中に出されたと同時にズルりとペニスを引きずり出されたので、千輝の頬にも十和田の精子がかかってしまった。
初めて口の中に出された。自分からしたことなのに、千輝は驚いてしまった。拙い舌使いで満足出来ないだろうと思っていたからだ。
「ごめんな、大丈夫か?」
十和田は慌てて千輝の顔を拭いている。口に出されたものはゴクンと飲んでしまった。
好きな男に口の中に出されて、全てが愛おしく思う。嫌な気はしない。どちらかというと嬉しさが込み上げてきている。
それを見ていた十和田はペニスをまた大きくしている。
「ちょっと待ってろ」
そう言い、十和田は裸で部屋を出て行きアイスワインとグラス一つを持ち、すぐにベッドに戻ってきた。
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