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第36話※

アイスワインを口移しで飲まされた。こっくりとした舌触りで甘くて美味しい。 「覚悟と決意だな?」 十和田がそう言いながら、千輝の手を取り指輪にキスをする。 キザなことをしているが、嫌味にも感じない。何も意識していない十和田がしているからだと思う。 本人はきっと、目の前の指輪が目に入り、キスをしただけなはず。千輝の指にはまっている指輪が愛おしく感じ、キスをしただけだ。 カッコつけるとか、そんな次元で生活していない十和田が、無意識にする行動から目が離せない。 外では確実にモテるだろうなと思う。ギャップがあり、無意識な行動こそ彼が魅了的に映る。 「決意しますよ…大誠さんの隣にずっと立てるようにって。こんなにカッコいいんだもん」 ふふふと笑いながら、十和田の首に両手を回して引き寄せたら、そのまま覆いかぶさりキスをされた。無防備な男に惹かれる。 もうちょっとアイスワイン飲みたいと、十和田にねだる。そう甘えても、嬉しそうに顔を歪めてくれる。その顔が好きだ。 「俺も決意した。あの坂の途中で」 上から千輝の顔を覗き込みながら、笑いながら言う十和田は本当に愛らしい。男らしいのに愛らしいなんて、ずるい。 十和田が言う坂の途中とは、夜に千輝が戻って来た日のこと。 「俺の腕の中に戻って来てくれた。だから絶対離さない不安にさせないって、俺も覚悟と決意」 千輝の首筋にキスをしている。十和田は首筋が好きなようだ。上から下へ、下から上へと何度もゆっくりキスを往復する。 「それ…好き…」 「ああ…もっと教えてくれ、千輝の好きなこと。俺がたまんなくなるくらい、好きな千輝のこと」 平らな胸の乳首にキスをしている。肉厚な十和田の唇に挟まれてキュッと引っ張られる。ツキンとした痛みが気持ちいい。 「やっあああん…はぁぁっっ…」 声を上げると同時に千輝の後ろを、十和田の手が掠める。さっきバスルームで準備をしてくれた所だ。くるくると指で撫でられると期待してしまう。 十和田はチェストの引き出しに入っているローションを取り出し、千輝の後ろと自身のペニスに塗り込んでいる。粘り気のあるローションをいつも大量に使うからシーツにタラタラと溢れている。 ツプンと指が入ってきた。いつも始めの指には緊張してしまう。それを十和田は知っているので、深いキスをしてくれる。そうするとキスに夢中になれるから、緊張することも忘れてしまえる。そのうち指が何本かと増えることで、快感も増していく。 「千輝のここに指を入れるだけで、ものすごく興奮する。千輝は、気持ちいい?興奮する?」 耳元でそう言われて、全身がゾクっと泡立つ。作家だからか十和田だからかわからないが、セックスしている時は、いやらしいことをさらっと言う。 それに、誘導尋問されることもあり、千輝はそれに引っかかってばかりいる。今日はいつものそれの仕返しをしてみたい。 「さっき…口でした時、興奮しちゃった。 また今度してみてもいい?でも今は早く入れて欲しい…そこに大誠さんのを入れて」 耳元でいやらしいことを言われた仕返しで、伝えると十和田は千輝の胸をキュッと唇で掴み、舌でグリグリとしつこいくらいに押された。乳首にキスをされるのが気持ちいいと、教えてくれる。 「…やぁっああん、もう…うんっっ」 千輝の口からは叫声が上がっている。 コンドームのパッケージを引っ張り出している十和田の手を止めた。 「今日はゴムつけないで…」 「つけないと中で出しちまうぞ」 「後でお風呂にまた一緒に入ってくれるでしょ?」 「じゃあ…このままいいのか?」 千輝の足を肩に担ぎ上げ、後ろの蕾に十和田はペニスを擦り付けている。 「上に乗っていい?」 くるっと、十和田を下に寝かして千輝が上に乗り上げる。自分から十和田のペニスを入れるのは初めてだ。上手く出来るかわからないが、十分ほぐしてくれたので、まぁ大丈夫だろう。 十和田はちょっと驚いた顔をしている。いつもの仕返しが出来そうで嬉しい。上からにっこりと笑いかけてあげた。 「動かないで、入れるまでは…」 上から十和田にキスをするのは優越感がある。下でじっとしている十和田も珍しい。 だけど、自分が上に乗り大きなペニスを下から入れるのは大変だとわかる。十和田のペニスは大きく亀頭はカサが張り、中々千輝の中に入ってくれない。ローションでペニスがドロドロになっているので滑ってしまう。 入り口から少しは入るがその後が進まなかった。下にいる十和田は千輝の腰を掴み動かないでいてくれるが、チラッと見るとニヤニヤとし始めているのがわかる。 「やっぱり…手伝って…お願い…」 ん?と、嬉しそうな顔をしている。何だか余裕があって憎たらしい。 「これを…奥まで入れて。入れたら下から突き上げて…ね…大誠さんの大きいので擦られたい」 耳元で囁きながら、ゆっくり十和田の大きな男根を、根元からさすり上げ、いつもは言わない挑発的な言葉を使い煽った。 千輝が囁く途中から、すかさず体勢を整えていた。いつもの如く十和田の素早い動きに笑ってしまう。 「千輝、ゆっくり…そのまま座って」 器用な十和田はローションでドロドロになったペニスを千輝の後ろにしっかりと入れている。十和田の上に乗りペニスを入れるのは始めてだった。 「んんんっ…」 苦しいが、あと少しのところで下からズクっと腰を深く入れられた。 「やぁぁあっ…」 ぐりっと中のシコリを押しつぶされたので高い声を発してしまった。 「…入ったぞ。きついな。しかし、下から千輝を眺めると…またデカくなりそうだ」 上に乗るのはキツイ。自分の体重が全部かかってしまうので、いつもより深く奥まで届いてしまう。しかも、中で十和田のペニスが膨張して大きくなっているから余計に圧迫されている。このまま動いたらどうなってしまうのだろうか。はらはらとしているのに、十和田は下からニヤついて千輝を見上げている。 「千輝、自分で動けるか?」 「ちょっと…無理かも…」 「じゃあ、ほら…これならいいか?」 十和田が起き上がり、千輝と対面するように座る。しかしペニスは入れたままなので、気持ちいいシコリが擦れている。 「ひゃっぁ、これ、ああんっダメ…これ気持ちいい…」 「ああ、気持ちいいな。これだと抱きしめることもキスすることもできるぞ。千輝の顔もよく見えるし…少し動いていいか?」 動いていいかと聞く前に、ゆっくりぐちぐちと音を立てて十和田は動き出していた。その動きの気持ち良さに、千輝はのけ反ってしまう。 「手をこう…そうだ、首に回しておけよ」 少しずつ動きが大きく激しくなってくるから千輝の手はスルッと抜けてしまう。だけど十和田が背中ごと抱きしめてくれている。 肌がぶつかる音がする。十和田が大きく腰を回して激しく叩きつけるから、ローションの水音と、肌を叩きつけられる音が聞こえてくる。 十和田に奥の出っ張りであるシコリをペニスでゴリゴリと擦られるのが気持ちいい。多分、わかってやっていると思う。 更には、奥深くにグリグリと届くようにペニスを押し付けられる。長くて太いペニスに貫かれるようにされるのも気持ちがいい。 「あ、あ、ダメ…いきそう。いっちゃう、 いやぁぁぁ、ああん…んっん」 十和田の上に座るようにしていると、下からの強い突き上げをされた。 腰を押さえつけられ、呆気なく千輝はいってしまった。ピュクッと出た精子を見て、興奮したのか十和田は千輝をそのままベッドに押さえつけた。 「すまん、千輝…達きそうだ…出すぞ」 上から突き刺さすようにペニスを入れられた。お腹の奥まで熱く固いものが貫いているのがわかる。大きなベッドなのにガタガタと音を立てている。 腰を奥まで捻じ込み、十和田も遅れて射精した。射精した精子は奥の壁にかけられたのがわかる。 何度も激しく叩きつけた後、十和田はペニスをグリグリと奥深くに押しつけていた。 「千輝…大丈夫か?」 ペニスを抜かないまま、上から覆いかぶさりキスをされる。いつも十和田は射精した後も抜かずにそのままにする。 「うん…大丈夫だけど…」 「ん?大丈夫だけど、なんだ?」 「今日は何だか足りないみたい。もう一回して欲しい…」 千輝の中に入っているペニスが、ぐぐっと大きくなったのがわかった。二回も出したのに十和田は本当に体力がある。 「おっ、いいのか?じゃあ、後ろからするか?千輝、後ろからも好きだろ?」 ずるっとペニスを引き抜かれ、ごろんと後ろ向きに寝かされた。 「おお…エロいぞ。俺のが出てきてる」 「もう…やめてよ。そうやって口に出して言うの」 千輝の後ろから十和田の放った精子が垂れてきているのはわかっていた。だけど、口に出して言われると恥ずかしくなる。 すまんすまんと言いながら、十和田は千輝の背中にキスをしている。 後ろから、ずくっと十和田の太いペニスが入ってきた。 「はああぁぁ、やぁぁんっ、いい…」 「千輝…好きだ」 自分からねだってしまい、こんなに乱れるのは、やっぱりアイスワインのせいにしたい。 たまにはいいかもと千輝は思ってるけど、十和田はきっとまたすぐアイスワインを買ってきてしまうんだろう。 もう…新しい遊びを大人が覚えると、羽目を外し過ぎる。

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