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第13話
もっと声を上げさせてみたくなった。
────ここを舐めてみたらどうなるだろう。
俺は片方の乳首をきゅっと摘まんだり、先を軽く掻いたりしながら、もう片方のそれを布の上から口に含んでみた。舌で唾液を塗りたくるように舐める。
「ふ……ぅん……ん……」
更に甘さを含んだ声が漏れる。
顔を離し眺めると、白い清潔なシャツのそこだけが透けて見えた。
──── エロい……。
心臓がばくばくいっている。
「四季……」
いつも感情を表に出さない知性的な瞳が、今は熱っぽく潤んでいる。
天音の白い綺麗な手が先程俺がしたように、白衣をするりと落とし、シャツのボタンを一つ二つと外していく。その手は止まらず腹まで辿り着き、ベルトも外しスラックスのファスナーまで下ろす。
「あ、天音?」
これからすることを思えば、そこを解放するのは当然のことなのに、俺は今更ながらに驚いてしまった。今までも相手が積極的に触れて来ることもあったのに。
天音にされているという衝撃と、そんなことさせていいのかという妙な焦りとで、俺の頭は混乱する。
その間にも、天音の手はスラックスの中に入り込み、もう既に勃ち上がっている俺のに直に触れてくる。
「良かった……ちゃんと反応してる」
いつも楽器を奏でる美しい手が俺の屹立に触れている。そう思っただけで、更に熱く昂ってしまう。
それを感じ取ったのか、ふふふっと天音が楽しそうに笑った。
──── 天音は……?
どうなんだろう。そう思って天音に手を伸ばしかけた瞬間。それを妨げるように、彼がちゅっと軽く唇にキスをした。
「ねぇ。ローションとかジェルとか持ってない?ハンドクリームとかでもいいんだけど。あ、なんだったら、油とかバターとかでもいいよ」
「え?」
俺の頭は更に混乱する。
「女のコじゃないんだから、勝手は濡れないよ。ちゃんと準備をしないとね」
天使のような微笑みで、なんだかとんでもないことを口にしている。
「…………」
余り深く考えてはいけないと思いながら、彼の要望に答えるべく寝室に向かう。女とする時用に一応用意してあるローション。
天音に渡すと
「ローション、あるんだ。寮になんか連れ込むんだね。や~らし~」
今度は悪魔のように笑った。
「あ、あとバスタオルも貸して」
**
「四季は、そっち向いてて。何もしなくていいからね」
そう言うと天音は俺の眼の前で、スラックスもその下の下着もすべて脱ぎ捨てた。
ソファの上に貸したバスタオルを敷き、俺に背を向けて座った。
経験はなくとも、男同士でのセックスで何処を使うかくらいは解る。
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