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第3話

「俺……ホモかも」 「は?」 芽衣は眉間にシワ寄せている。きっと、呆れてるんだ。 でも、いいんだ……人生って1度きりじゃん? 「俺、碧さんが好き」 「マジで……?」 「芽衣、気持ち悪いなら友達辞めても良かぞ?俺は愛に生きる男になる」 拳を握り、愛を宣言。 「博多の中心で碧さんに愛ば叫ぶ」 「いや、ここ、南区だから」 冷静な芽衣の突っ込み。ちくしょう! 「と、とにかく、俺は愛に生きるとぞ!そして、碧さんと付き合いたいと」 「勝手にしろよ」 芽衣はやっぱり呆れてる。まあ、仕方ないよね。男を好きになるんだもん。 幼馴染辞められても仕方ないよな。 男の友情より、愛だ!最後に必ず愛は勝つんだから。 ◆◆◆◆ 「……で、何で芽衣、またおるん?」 「何が?」 部活も終わって駅に居る俺の横に芽衣が居る。 「呆れたっちゃなかと?」 「なんで?」 「俺、ホモで良かけんって言うたから」 「別に……そいくらいじゃ引かんし」 「は?マジで?」 「何年幼馴染しとるって思っとっとや?」 芽衣は本当に良か男や。こんな俺でも幼馴染って思ってくれる。 「えへへ、ありがとう」 嬉しい。 「五月君と芽衣君」 碧さん! 俺達を見つけ手を振ってくれる。 今日も可愛かなあ。 「お前、ニヤニヤし過ぎ、気持ち悪かぞ」 芽衣の言葉でキリッとした顔に戻す。 「本当、仲良しなんだね、いつも一緒」 俺と芽衣を交互に見る碧さん。 「あれ?肩に動物の毛付いてますよ?」 芽衣が碧さんの肩を指さす。 「えっ?あ、本当だ……猫飼ってて」 「猫飼ってるんですか?お、俺も猫好きなんです!」 碧さんの情報をまたゲット! 「えっ?本当?猫可愛いよね」 嬉しそうに笑う顔はまるで花が開いたみたいだった。こんなに可愛く笑う人、初めて会った。 「碧」 またあの男性の声。 「ちひろさん」 いつも一緒に居るイケメン。今度は近くに来た。 げっ、近くに来ると背高いやん……それにカッコイイというより綺麗?ジャニーズか俳優にいそう。 「この前話した高校生の男の子達」 そんな紹介をする碧さん。えっ?俺の話とかしてくれたの?マジで?ばり嬉しい! 「大根のせいで痴漢に間違えられた子?」 「はい」 「災難だったね」 優しく笑うイケメン。イケメンはズルいと思う。笑うとイケメン度が上がるから。 「いえ……あの、背高いっすね?何かしてたんですか?スポーツ」 「えっ?特には……あ、でもバスケやってた」 「そうなんですか?俺らもバスケ部で」 「そっか、レギュラー?」 「はい、一応」 「へえ、頑張って」 またまたニコッと笑うイケメン。 「あ、スーパーに寄らないと!」 碧さんが思い出したように言葉にし、会話終了。 2人一緒に行ってしまった。……ってオイ!イケメンとしか話してないよ。 「お前……頑張るんじゃなかったのかよ?イケメンとしか会話してなくない?」 ズバリそうです。会話終了。 「でも情報ゲットできた!猫飼ってる」 「はいはい良かったな。俺のお陰やない?」 「あ、確かに」 肩についた毛に気付かなければ得られなかった情報。 「今日は俺がハンバーガー奢っちゃるけん」 「は?マジで?」 「うん、俺がホモでも引かなかったお礼も兼ねて」 ってなわけでハンバーガー屋へ。 「なんかさ、もっと仲良くなれんかな?」 もっとこう、親密になりたい俺。 「連絡先聞くとか言ってなかったかお前?」 「そ、そうけど……会話が精一杯」 「遊びに誘うとか色々あるやん?俺らとタメやったらゲーセンとか映画とか誘えるけど社会人やもんな……ゲーセン行くとかな?」 芽衣の言葉に確かに!と思った。タメだったら色々誘える。 「夕方とかリーマンがクレーンゲームやってない?」 「そりゃオタクやろ?必死に萌フィギュア取りよる」 碧さん……ぬいぐるみとか似合いそう。 猫のぬいぐるみとか……あっ! 「芽衣ゲーセン行こ?」 「は?今から?」 俺は無理矢理、芽衣を引っ張りゲーセンに行く事にした。

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