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第4話
ゲーセンにてぬいぐるみゲット。
「お前まさかと思うけど碧さんに?」
「そうたい!猫好き言いよったけんさ、碧さんぬいぐるみ似合いそうやん?」
「まあ、確かに似合いそうけど……その猫さアニメのやろ?」
芽衣が指さす猫は確かにアニメに出てくる猫。
「か、可愛いけん良かろうもん!」
「受け取ってくれるとやろか?」
ため息混じりの芽衣。
「お前それ持って学校行く気かよ?」
「部室に隠しとく」
「そうかよ、バレないようにしろよ」
本当は個人的に呼出して渡したい。
なんて考えてしまった。やはり聞くべきかな?LINE……そしたら、色々やりとり出来るっちゃろうなあ。
「気持ち悪いからその顔」
芽衣に指摘され、俺はまたキリッ!とした顔に戻す。
◆◆◆
俺はぬいぐるみを持って駅で碧さんを探す。
もちろん芽衣も一緒。
周り見てたら壁のポスターを見ている碧さん発見!
真剣にポスターを見ている。何をそんなに真剣に?と思って近寄ると花火大会のポスター。
花火大会……
キター!
そうだ、これ誘えば。
「あ、あの」
後ろ姿に声をかけると「あ、五月君に芽衣君」と振り返り極上の笑顔。
ふへへ、俺に向けられた笑顔。ああ、写真に撮りたい。そして待ち受けに。
「な、何見てたんですか?」
花火大会のポスターだとは分かってて聞く。
「花火大会」
「花火大会ですか!い、行くんですか?」
よし!いいぞ俺!もし、行きたいって言えば一緒にって言える。
「うん、一緒に行こうって言われてて」
は!!マジですか!一緒に行こう?それってもしかして女性?碧さん可愛いから女性もほっとかないよな?
「だ、誰とですか?友達?」
友達でありますように!
「えっと、ちひろさん……昨日話したでしょ?」
「えっ?あ、イケメン兄さん」
「イケメン……」
碧さんはそう呟き俺を見て「やっ、やっぱり五月君もちひろさんをイケメンって思う?イケメンだよね?ちひろさん」とパァ~と明るい声で聞く。
「イケメンですよ、あの人、背も高いし。モデルかタレントでもしてるのかと思ったくらいですもん」
「そうですよね!」
ニコッーと笑う、すげえ、無邪気に笑って。可愛いなあ本当……。
「あ、ニャンコ先生」
碧さんは俺が持つぬいぐるみを指さす。
「知ってるんすか?」
「うん、知ってるよ!毎週見てた、良い話だよね、たまに泣いちゃうんだ」
うわああ!碧さーん!泣いちゃうとか!可愛いい。
「あ、あのこれ」
ぬいぐるみが入った袋を渡す。
「ゲーセンで取ったんですけど、俺んちいっぱいあるから貰ってください」
い、言えた!頑張った俺。
「えっ?いいの?でも……お金かかったんじゃ?」
「碧さん、いいんですよ、コイツすげえ上手いんですよクレーンゲーム、1回で取れるくらいで」
芽衣が援護射撃してくれた。
「そうなの?凄いね?僕なんて下手で」
「そうなんです、だから貰ってやってくださいよ」
「いいの?ありがとう。僕、好きなんだ」
「えっ?」
俺は顔が赤くなった。好きなんだって……えっ?俺を?
「あの、俺も!俺も好きです碧さん!」
俺はビシッと決め台詞を放つ。
まさかこんなに早く告白出来るなんて。
「ね、ニャンコ先生いいよね」
「はい!えっ?ニャンコ……」
「バカ五月、ぬいぐるみの話だろ?」
芽衣に小声で注意された。
えっ?俺を好きとかじゃなくて?マジすか……
俺ってば勘違い。うへへ。
「ありがとう大事にするね」
ニコッと微笑まれる。
「うん」
あーん、可愛い。
「碧」
イケメンの声がした。くそう、終了か!
「ちひろさん、ぬいぐるみ貰ったんです!クレーンゲーム得意なんですって」
碧さんは嬉しそうに見せている。
「あ、ニャンコ先生」
まさかのイケメンまで知っているとは恐ろしい国民的アニメ。
「良かったな。碧好きだもんな」
「はい」
「ありがとう」
イケメンにお礼言われて「はい」って返事返したけど、なんで、イケメンはお礼を言うのか不思議。
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