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医局

医師としてここに踏み入るのは初めてだが、徳川は医局へと立ち戻った 「え〜と…ただいま?」 遠慮がちに入室すると仁科はグラスに注いだウイスキーを飲んでいた。 「ん…おかえり」 「先生…飲むんすね、酒」 職務中なのに?と疑問がわくがそしらぬ顔をして仁科はグラスに口をつける 「まあ、今夜は君に任せたから」 くいっと傾けウイスキーを飲むと仁科はしかめ面をし、息を吐く 「それ…薄めてないっすよね?」 「そうだけど?」 「痛いんすね」 「…」 ひらひらとケガした手を揺すっている 「あの、報告っすけど…カスミは失神したまんま寝てて、ツバキはちょいお仕置きにスパンキングしました。結構いい感じだったんで拘束右手のみをお試し中で、葵と藤は明日三河先生と尾張先生に引き継ごうかと」 「そのままそのしたことをカルテ残して、あと…抗生剤処方いいか?自分に自分ではできないから。そこのデスクとパソコンは先生が使っていい」 「了解です。あの…鎮痛剤は?」 「気休めだけど頼むよ。いや…しかし、まいった…。利き手がこれじゃしばらくは戦力外。徳川には感謝するよ。で、おチビちゃんとツバキはこれからどう治療する?治療方針は?」 「え…いやなんつーか、突然すぎて」 「ノープランだと困るぞ?ちゃんとまずは育成部に引き継ぐまでの道筋を立てなきゃ」 「えと…カスミは、まだ全然受容できていないんでまずは認めさせつつ快感に訴えてく感じっすかね?まだたぶん年齢的に気持ちいいことって知らないだろうし、あ…尿道拡げたんでブジーもいけるんじゃないかな」 「それで?」 「ツバキは…正直悩みます。嫌しか言わないんで。ってあ…?こいつ、学校休学なんだ?。使えるかも…」 トントンと仁科は良い手の指で机を叩く 「カスミはその線でいいだろう。しかし、1人では行くな。あいつは危険だ。俺もいく」 「はい」 「ツバキは…正直俺も悩むな。感度はいいが素直じゃなさすぎる。藤くんと葵くんをうまく使うといいかもしれんな。ところで休学とは?」 「いや、学校が休学扱いでそれって治療していく上で使えるんじゃないかって。それより藤と葵って…どう使うんす?」 徳川は首を傾げる 仁科は良い手で⚪︎を作りその穴に反対の人差し指を抜き差し 「彼らはたぶん友情が芽生えてる。お友達が素直に気持ちよがり可愛がられていたら…納得いかざるを得ないだろ?推測だが」 「なるほど…でも、それって」 「三河先生と尾張先生に甘えなさい」 「う…あんまり、得意じゃないんすよね、あの2人。できるだけ避けてきたのに…」 「検討を祈るよ」 ・ ・ 翌朝、8時30分。三河・尾張は出勤し指導官からの報告に驚きながら医局に向かう 「楓は医師にはならないと踏んでたけど違いましたね。尾張先生」 「ああ。仁科先生のことはショックだが、正直戦力が増えるのは助かるな」 2人して医局の扉を開けると机に突っ伏して眠る仁科と徳川が目に入った 仁科に近づくと酷いアルコール臭だ 「う…すごい香り」 「大丈夫か?仁科先生」 仁科の肩をゆする。 揺れに目覚め仁科は目を開ける 「…はよ。電話、出ろよ…あんたら」 「いや…悪かったな。手が空かず…」 トントンと徳川の肩を三河が叩く 「おつかれ。楓、デビューおめでとう」 「おめでたくないっす…待ってました。あの…2人にお願いが」 昨日の、仁科との話を両名に話す 「なるほど…いいんじゃないかな?葵もそういうの弱そうだ。尾張先生は?」 「ん〜…いいぞ」 「ありがとうございます」 徳川は頭を下げる 「しかし楓〜よく、先生になったね?えらいよ」三河はガシガシと楓の頭を撫でる 「1人でよくやった…楓」 「あ…いや」 「三河、尾張、そいつもう徳川先生だから。やすやす楓呼びするな。汚点らしいから」 「ん〜気をつけるけど呼んじゃうかもしれないな。楓は楓だしね?」 「いいっすよ、別に」 徳川はぶっきらぼうに答えた。 こうして徳川の医師としての花屋での生活が始まった

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