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アイリス2

花屋に着き、徳川は診察室のベッドにそっと優しくアイリスを横たえた 移動で急変しなくて良かったとほっと胸を撫で下ろす。 「徳川、アイリスくんの意識回復時に状況が理解できなくて錯乱するとまずいから、いったんベッドに拘束だ」 「せん妄予防ってことですね?分かりました」 徳川は言われた通りベッドにアイリスの手を固定する 「足は?」 「まあ、とりあえずはいいだろう。あまり混乱がひどいようならそちらもいるだろうが…必要ない拘束はしたくない。さあ、彼が寝てるうちに採血と点滴をしよう。やれるか?」 「う…久々過ぎて自信ないっすけど頑張ります」 徳川は自信ないとは言うものの、すぐさま慣れた手つきで必要物品を用意した。 用意するまでは助手業務でもあるから完璧だ その様子を見て仁科は苦笑する 「君…それ、助手さんにやらせていいんだよ?」 「え?」 自分がやるものと思ってたから徳川は固まる 「まあやりたいならやればいいが…その時間は花に割いてほしいというのが俺の意見」 「はい。なんつーか、クセって怖いっすね」 「まあいい。数をこなせばそのうち医師らしくなる。 さあ、駆血して血管探せ。これは静脈での媚薬やるときにも使うから習得しろ」 「はい」 徳川はアイリスの腕を縛った。瀕死だからだろうか?血管がまるで見えない… 「う…」 「見えない?」 「はい…すみません」 「触ってみろ。弾力があるところがあるはずだ。それが血管。手の感覚も研ぎ澄ませ。 手の感覚を鍛えるのは前立腺を探すのにも役立つ」 徳川は腕を触り血管を探した。 わずかだが独特な感触なところがある 「あの…ここにあると思うんすけど」 徳川の言う部分を仁科も触り確かめ 「正解だ。よし、いけ」 徳川は針を刺した。 が、すぐには血がひけず、いったん引き戻した時に血がひけた。ほっとしながら徳川はひいた血を検査管に入れた 「一瞬ドキっとしたんすけどなんとかひけました」 「上出来。そしたら点滴に繋いで」 「了解…」 緊迫した時間が過ぎ、検査管を助手のばらに渡し結果を待った。 ・ ・ 「ん〜仁科先生やっぱり貧血の値出てますね。赤血球からhbその他全部基準値以下っす」 「輸血するほどではないが鉄剤がいるな。助手さーん?のばらくんさアイリスくんに鉄剤処方するから鉄剤打って? 俺らはそろそろ仮眠いくよ。夜は長い」 「は〜い」 助手、のばらが陽気に答える のばらは歓喜した。この瞬間がたまらない。 必要とされなくなった僕が必要とされるこの瞬間って大好き。 しかし…楓もとい徳川…目障り さっきの採血も点滴も僕のが絶対うまいのに 助手のときはいいように使えて楽だったのにホント意味わからない 不満はあるものののばらは看護師としての任務を遂行した

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