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のばら&徳川

数日ののちにあの事件が起きた 仁科先生が花に刺された。 重症だったらしい… それを、、まさかのあの楓が助けた。 医者だったなんて聞いてないし、だったらなんでダラダラ助手をしているのか意味がわからなかった あの楓を先生なんて呼びたくない くやしい すれ違いざまに楓に悪態づいたがひょうひょうとかわされ、逃げられた。 「くそっ」 その様子をスミレに見られ終業近くになって呼び止められた。 数日前に暴れたとは思えないほど、落ち着いている 「どうしました?のばら」 「いや…楓が!」 「先生です。のばら…徳川先生」 「あんなやつっ認めるんですか!」 「認める認めないじゃないです。立場を考えなさい。あなたは看護師、彼は医者です」 スミレは厳しい口調で語る 「上下の関係はしっかりつけましょう。基本です」 「…っ」 反論できず、のばらは固まった 「しっかりしてください。数日後は彼と2人で育成部の健康診断です。次の日は休みだから任せましたよ」 「え〜」 あいつ?血とか採れるのか? 疑問のわくのばらであった ・ ・ 案の定あまりうまくない徳川の手技にのばらはイライラしていた 「今日大丈夫だよねっ!」 「はぁ…たぶん?」 「もうっシャキッとする」 のばらはテキパキと支度をし、育成部へと徳川を引き連れて向かった 月1ある育成部の健康診断。 血液採って心音聞いて、血圧測ってってくらいの簡単なものだが、人数が多くかなり大変だ 暴れるやつもいるし、なかなかうまくいかない時もあってあまり好きじゃない任務 だけど、ここに来てから毎月補助として任せてもらえている 頼りにされるって嬉しい しかし、いつも楽しい健診も今日は、イライラのまま終わった。疲れがひどい。 翌日の晩…のばらは熱を出した。 フラフラのまま熱を測ると38度2分 やばい… のばらはスミレに電話をかけた 〝え?あなたもですか?のばら。育成部の花や指導官が複数人熱が出たと昼間報告があって〝 「それって…」 遠くから仁科の声が聞こえる。 〝育成部封鎖ー。のばらはダウンだ。徳川先生には出勤するなと伝えてー〝 〝いいですか?のばら。部屋からは出ないように〝 〝はい〝 数十分が経ち、はあはあと息を荒げていると部屋に疲れきった表情の徳川が入ってきた 「なっ!」 叫びたいが叫べない 「俺のこと嫌いだろうけど、よく聞いて?育成部の連中…検査して回ったらインフルエンザだった。全部俺がやったから治療部はいまんとこ無事」 「インフル…」 「で、今から検査しなきゃなんない。報告するように言われてる」 のばらは頭が回らない。徳川は話しながら支度を進める 「熱、何度?」 「8度2…」 「もうちょいあるんじゃね?測るぞ」 熱で体が重く、徳川のされるがままに座らされ、熱を測られる 「あ〜余裕で越えてやんの。9度1分だ」 綿棒を手に持ち、のばらの後頭部を押さえる 「やだっ」 のばらは力無く暴れる 「悪い…」 徳川は容赦なくのばらの鼻の中に綿棒を入れた 「やぁーーっバカっ痛いっ下手くそ!」 ポカポカと徳川の胸元を叩き抵抗し、つーんとした痛みに涙がつたう 左手でのばらをよしよししながら徳川は試薬を作り検査の板に液体を垂らした 「そんなに泣くなよ…ごめんのばら」 のばらの頭は熱くまた熱が上がっている様子だ みるみるうちcとa両方が染まった 「あ〜アウトか」 よしよしされたままののばらが可愛いく思え、徳川は抱き寄せた。 「や…」 抵抗しようとするが、力強く抱きしめるとのばらは諦めて抵抗をやめ、徳川に体を預けた (こんなに可愛いかったっけ?) 徳川は考えながら、医局へ電話した 「あ〜のばらもアウトです。aでました。熱も9度で…」 〝そうか…看病頼むぞ〝 「はい」 電話を切り、のばらに話しかける 「なんか飲める?」 「無理」 「あのさ…下から薬挿れていいか?」 「え?」 びっくりしてのばらは徳川の腕から離れる 「それって座薬ってこと?」 「まあそうなるな。9度もありゃしんどいだろ?嫌だろうけど楽になるぞ?」 「う〜。痛いのはやだ」 「一瞬だって。すぐ済ませる」 のばらは暴れる気力もなくしぶしぶといった感じでズボンを脱ぎ横たわり左を向いた

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